2021.09.09

WATCHES

2021年注目の新作腕時計「シャネル」編

オンラインによるリモート開催となった世界最大の時計フェア「ウォッチズ&ワンダーズ ジュネーブ2021」を振り返る第12弾。シャネルからは、サファイアケースが見事なモデルを中心に、時計ジャーナリストの菅原 茂氏とエンジン時計担当の前田清輝がその魅力を解説する。

虹色と透明感で描き出す異形のオート・オルロジュリー

「オート・オルロジュリー」は、高度な技術や職人技を駆使して最高峰の時計を製作することを言い表すフランス語。デザイン、ムーブメント、素材のアレンジで独自の世界を確立したシャネルはこの分野でも脚光を浴びる存在だ。新作で最も象徴的なのは、1990年代のエレクトロミュージックから広がったカルチャーから着想を得た「J12 エレクトロ」。カラフルなバゲットカットの天然サファイアで描いたレインボーが絶妙だ。また、透明なサファイアケースでユニークなスケルトンを演出する「X-RAY」のワザもますます冴えを見せる。


 
J12 X-RAY エレクトロ キャリバー3.1
「J12 エレクトロ」の最上位モデルは、X-RAYのコンセプト通り、ケースからブレスレットに至るまで透明なサファイアを用いて可視化。さらにベゼルに46個、ダイアルのインデックスに12個を配した天然のサファイアをセットしてレインボーカラーを表現。メカニズムの細部まで透けて見える手巻きのスケルトンムーブメントは、自社製キャリバー 3.1。サファイア+ホワイトゴールド、ケース直径38mm、30m防水。世界限定12本。7425万円。


 
レインボーカラーを数字とインデックスに配した「J12 エレクトロ」の38mmモデル。自動巻き。ブラックセラミック+ステンレススティール。世界限定1255本。92万4000円。



ボーイフレンド スケルトン X-RAY
透明なサファイアによる角型ケースに、設計が独創的なスケルトンムーブメントを収め、露わになったメカニズムがデザインを担う。美観と技術を高次元で融合するアーティスティックな世界観はシャネルならではのもの。手巻き。自社製キャリバー 3.55時間パワーリザーブ。ケース縦37mm×横28.6mm。30m防水。世界限定100本。942万7000円。

時計ジャーナリスト・菅原 茂はこう見た!
伝統や格式を重んじる老舗とはまったく違う発想で破天荒な創作が可能なのも、ファッションから時計に参入して独自の個性を発展させたからこそ。オート・オルロジュリーの新作は、レインボーカラーやスケルトンの妙技をはじめ、新作のそれぞれにサプライズがあり、頭がクラクラするほど。次は「ムッシュー ドゥ シャネル」でクールダウン! 

ENGINE編集部・前田清輝はこう見た!
新作はサファイアケースとレインボーの配色(貴石を含めて)が印象的なシャネル。今年は「ボーイフレンド スケルトン」にもサファイアケースが加わった。ムーブメントが透き通ったケース、そしてダイアルに浮かび上がるかのような佇まいで、その美しい輪列が際立った仕上がりに。上品さと華やかさを見事に組み合わせるのは、さすがとしか言いようがない。

文=菅原 茂/前田清輝(ENGINE編集部)

 (ENGINE2021年7月号)

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