2021.09.13

WATCHES

2021年注目の新作腕時計「ブルガリ」篇

オンラインによるリモート開催となった世界最大の時計フェア「ウォッチズ&ワンダーズ ジュネーブ2021」を振り返る第16弾。ブルガリからは新たな世界記録を達成した「オクト」を中心に取り上げ、時計ジャーナリストの菅原茂氏とエンジン時計担当の前田清輝がその魅力を解説する。

超薄型の永久カレンダーで7度目の世界記録を達成
今年のブルガリも薄さで世界記録を樹立する「オクト フィニッシモ」で話題をさらう。その最新作「オクト フィニッシモ パーペチュアルカレンダー」は、複雑な構造ながら5.8mmの超薄型を実現。今回で7度目となる世界記録により、トゥールビヨンやミニッツリピーター、クロノグラフ、GMTなどの複雑モデルからシンプルな自動巻きに至るまで、超薄型の分野を完全制覇した感がある。複雑な機構や収納するケースには相応の厚さが必要という一般常識をあっさり覆すブルガリの快進撃がとまらない。



 オクト フィニッシモ パーペチュアルカレンダー
自動巻き永久カレンダーで7度目の最薄記録を樹立。永久カレンダーは、レトログラード式の日付と閏年表示を含め、曜日と月名もすべて指針式。複雑機構一体型のムーブメントは、マイクロローター自動巻きで厚さ2.75mm。直径40mmのケースもわずか5.8mmと超薄型。右:ケース、ダイアル、ブレスレットがサンドブラスト加工のチタン。683万1000円。左:プラチナケースとブルーのラッカーダイアル。1052万2000円。9月発売予定。
 


オクト フィニッシモ 安藤忠雄 限定モデル
日本の建築家安藤忠雄氏とブルガリのコラボによる2021年の限定モデルは、サンドブラスト仕上げのブラックセラミックのケースに、ブルーラッカーのダイアルをセット。波紋のように広がる渦に三日月のシルエットが映り、夜空と時の移ろいが感じ取れる。自動巻き。ケース直径40mm、30m防水。世界160本限定。217万円。

時計ジャーナリスト・菅原茂はこう見た!
永久カレンダー機構を組み込んで超薄型を実現するのは容易ではない。耐久性や機能を損なわずに大半の構成部品をできるだけ薄く作らなくてはならないからだ。執念のような挑戦に拍手を送りつつも、薄さの限界に突き当たらないのだろうかと心配になるが、ブルガリの技術陣は8度目を狙って、次なる一手を練っているに違いない。

ENGINE編集部・前田清輝はこう見た!
毎年、複雑な機構を極限の薄さで実現して世界記録を樹立する「オクト フィニッシモ」は今年もそれをパーペチュアルカレンダーにて実現した。5.8mmという極薄ケースの中に408個のパーツが複雑に組み合わされているのはもちろんスゴいのだが、個人的にはダイアル上でシンメトリーにレイアウトされた表示に惹かれる。ケースとのバランスも最高だ。

文=菅原茂/前田清輝(ENGINE編集部)
 
(ENGINE2021年7月号)

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