2021.09.14

WATCHES

2021年注目の新作腕時計「ウブロ」篇

オンラインによるリモート開催となった世界最大の時計フェア「ウォッチズ&ワンダーズ ジュネーブ2021」を振り返る第17弾。ウブロからはスケルトンを追求したサファイアモデルなど取り上げ、時計ジャーナリストの菅原茂氏とエンジン時計担当の前田清輝がその魅力を解説する。

サファイアクリスタルで究極の透明感に挑む

ひとつのモデルに対してさまざまな素材やカラー、ムーブメントなどを展開してバリエーションを広げてゆくウブロの時計づくりは極めてシステマティックだ。新世代の「ビッグ・バン」として注目されるブレスレット統合型の「ビッグ・バン インテグラル」も、チタンやキングゴールド、セラミックに続いて、今年はいよいよサファイアだ。しかも究極の透明感を求めて、サファイアのブリッジを用いたスケルトンのトゥールビヨンムーブメントを搭載。ハイエンドの高級時計の分野で現在繰り広げられる熾烈な「透明化」競争でも素材のスペシャリストのウブロは先頭を走り続ける。


 
ビッグ・バン インテグラル トゥールビヨン フルサファイア
世界限定30本のこのモデルは、ケースとブレスレット、トゥールビヨンムーブメントのブリッジまでもすべてサファイア製で、これらをダイヤモンドに次いで硬いこのサファイアから精密に作り出すのは、加工技術が進歩した現在でも至難の技だ。ウブロの自社製トゥールビヨンムーブメントは、12時位置にマイクロローターを設けた自動巻きで、約72時間のパワーリザーブが備わる。ケース直径43mm、3気圧防水。予価4901万6000円。



ビッグ・バン ウニコ イエローマジック
従来のブラックやホワイトだけでなく、セラミックでは不可能とされたレッドをはじめ、ブルー、ベージュ、グリーンなどを自社で研究開発しているウブロが新たにカラーパレットに加えたのはイエロー。明るく鮮烈なイエローが気分を高揚させる。自社製自動巻きクロノグラフウニコ搭載、約72時間パワーリザーブ。ケース直径42mm、10気圧防水。305万8000円。

時計ジャーナリスト・菅原茂はこう見た!
サファイアケースとスケルトンで作り出す「透明ウォッチ」も、高級時計におけるひとつの究極の姿。今までウブロをはじめ、シャネル、ベル&ロス、ルイ・ヴィトン、ジラール・ペルゴからこの種の時計が発表されてきたが、それも人工サファイアの加工技術が進歩したおかげ。最後は全部品を透明にして、手品のように時計が姿を消すなんてね。

ENGINE編集部・前田清輝はこう見た!
ケースとブレスレットが統合されたデザインの「ビッグ・バン インテグラル」だけに、その2つがフルサファイアとなったインパクトは強烈だ。スケルトン化される際に目立つビスの大半を取り除くべく、新たなケースを開発するなど“見えなくする”ことを徹底的に追求。ブレスレットも同様だ。次はビスもサファイアで作られるかも?

文=菅原茂/前田清輝(ENGINE編集部)

(ENGINE2021年7月号)

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