2021.09.22

LIFESTYLE

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アルファ ロメオ ステルヴィオで訪ねる勝沼のワイナリー、くらむぼんワイン テロワールがモノを言う「味の世界」

山梨県の勝沼に、伝統的な甲州のワインづくりを継承しながら、自然に沿った栽培などのイノベイティブな製造方法を取り入れ、質が高く、味わい深いワインをつくるワイナリーがある。かつてはF1のエンジニアを夢見たこともあるというオーナーのもとを、モータージャーナリストの西川淳が新たに導入されたアルファ ロメオ ステルヴィオ 2.0 ターボ Q4 ヴェローチェで訪ねた。

宮沢賢治が描いたクラムボンが笑う世界

「クラムボン」とは、宮沢賢治の童話“やまなし”に登場する「何か」だ。川にいるカニの子供たちにはそれが笑ったり殺されたりするのが見えるらしい。正体は定かではない。童話には他に魚やカワセミが登場し、最後の方でやまなし(果物)が流れてきて酒になるのを待とうとなって終わる。

東京から勝沼を目指すステルヴィオ2.0ターボ ヴェローチェ。ガソリン仕様のマルチエア4気筒ターボは、最高出力280ps、最大トルク400Nmを発揮する。

山梨県勝沼町にその名も“くらむぼんワイン”というワイナリーがある。1913年創業というから日本のワイン史と共にある老舗。元は“山梨ワイン(醸造)”と名乗っていたけれども、創立100周年を記念して100%国産ぶどうを使うワイナリーとなったことを機に、社名も自然との共生を訴え続けた宮沢賢治の童話からその名を拝借することにした。二重三重に社業との関係があって、とてもいい名前を見つけ出したものだ。

老舗の変革に挑戦した主役は四代目オーナーの野沢たかひこさん。大学では機械工学を専攻し、F1エンジニアを夢見ていた。ところが実際に学び始めてみて、自分がエンジニアの世界に向いてないと気づく。すっぱりと学業を諦め、ヨーロッパへ旅立った。

くらむぼんワインの4代目オーナーの野沢たかひこさん。収穫を直前にひかえた葡萄畑で。

実家のワイナリーを継ぐつもりなどまるでなかったし、実をいうと飲んだことさえなかった。ただ何となく稼業と関係のありそうなフランスを行き先の一つに選んでいた。そして、語学留学したニースのホームステイ先で運命の“原体験”が待ち受けていたのだった。

ホームステイ二軒目は“当たり”だった。奥さんの作るプロバンスの家庭料理がなんでも旨い。それに地元のテーブルワインをあわせて、家族や知人たちと一緒に驚くほどよく食べよく飲んだ。ただひたすら食事の時間が楽しかった。幸せがあると感じた。野沢さんのワインに対する思いが180度反転した。

「ワインの原点を知ったんだと思います。すごく楽しいものなんだって。それを日本で、特に和食に合わせるようなワインをできないものか。そう考え始めたのが今にして思うと家業を継ぐ第一歩だったのかもしれません」

ブルゴーニュでぶどうの栽培と醸造の経験を積み帰国。以来、栽培醸造責任者として小さなワイナリーを切り盛りしている。

アルファ ロメオの第一印象は?

そんな野沢さんを、収穫で忙しい時期をかいくぐりアルファ ロメオ ステルヴィオでドライブに連れ出した。F1好きだけあって、アルファ ロメオの第一印象もまた、「今ではF1にも参戦していますね。初めて乗りましたけれど、想像以上に乗りやすくて意のままに動く感覚があります。乗り心地だっていい。ちょっと意外でした」と実に的を得ている。





全長、全幅、全高はそれぞれ4690mm、1905mm、1680mm。機敏なハンドリングを生み出すSUVらしからぬ重心の低さがデザインにも現れている。

実を言うと機械工学を学び始めたとき、自動車を作ることよりも自動車を操ることの方が好きだということに気づいたのが、大学をやめるきっかけだったらしい。そんな野沢さんだから、やっぱり運転が楽しくなるようなクルマに乗りたいのだそうだ。「ステルヴィオなら、どこまでもドライブできそうな気がしました」。

アルファ ロメオ ステルヴィオ 2.0 ターボ Q4 ヴェローチェの詳しい情報はコチラ

デザインは中身を表現している

野沢さんはステルヴィオのデザインにも興味を持ったようだ。試乗用に持ち込んだ車体は鮮やかなメタリックカラーの"ミサーノ ブルー”で、収穫の秋を迎えた勝沼の緑の中で、ぶどう狩りで賑わう街の中で、よく映えた。「イタリアのクルマらしい美しさと、日常的に使えそうな落ち着きの両方があって、これなら毎日乗れそうですねぇ。デザインってやっぱりとても重要で、うちのワインもジャケット(エチケット)を変えてからはっきりと売れ行きが上向きました。お客様任せの販売の場合、興味を持っていただけるかどうかはジャケットで7、8割決まるといわれています。自分たちの目指すワインと方向性のあったデザインにすることで、認知も高まっていくのだと思います」。中身での勝負はそこから、というわけだ。

醸造蔵にはワインを満たした樽がところ狭しと並ぶ。

左から、4代目オーナーの野沢たかひこさんの頭文字のNをブランド名にしたプレミアムワインシリーズ「N 甲州」、社名の「くらむぼん」をブランド名にしたヴァラエタルワインシリーズ「KURAMBON甲州」、「KURAMBONマスカット・ベーリーA」。ワインはオンラインショップでも購入できる。

ワインの世界にはテロワールという有名な単語がある。出来上がったワインの味わいが作られた場所の歴史や民族性、気候、地形、環境などに影響されることを言う。言ってみれば人間と自然とが接する境界線上に生まれる物で、生活に欠かせない嗜好品、例えばワインの他ならお茶やコーヒーなどに、テロワールという概念は通用するものだと思う。

「最近では醸造の仕組みも科学的にかなり解明されてきて、自然相手の作物であるにもかかわらず大手なら毎年、同じような味わいのワインを作ることができるようになってきました。でもそれじゃ何だかつまらない気がするんです。毎年、ブドウは変わります。日本は特に雨が多く糖度も低めですから、欧米のような濃くて強いワインは相当に造り込まなければならない。ならば、もう少しブドウに、というか自然に任せて、その任せ方を我々が工夫することで、日本食に合った美味しいワインを造れないだろうか。そんなことを考えた結果、合成肥料を使わず、殺虫剤や除草剤も使わない、酵母も土着の天然、最近じゃ野沢酵母なんて呼ばれていますけれど、を生かしてこの土地、つまりテロワールを表現するワイン造りに挑戦したのです」

最初の2年間で半分のブドウが腐ってしまったらしい。周りからは天然酵母など絶対に成功しないと陰口を叩かれた。それが最近は、変わったことをする面白い醸造家として見られるようになった。

野沢さんが大学で機械工学を学んでいたと聞いて驚く西川さん。実は西川さんもエンジニアを目指して機械工学を学んでいた。

最適な運転環境を提供するステルヴィオのコクピット。

2.0ターボ ヴェローチェはレザーのスポーツシートやインパネのアルミパネル、harman/kardonプレミアムオーディオシズテムなどが標準で装備される。

クルマもそうだ。工業製品ではあるけれども、人間に操られ、人間が作った道の上ながら大枠では自然界を駆け抜ける。だからテロワールがモノを言う。

イタリアのクルマにはイタリアらしさがある。けれどもそのイタリアらしさとは、不断のイノベーションによって支えられたものであるに違いない。工業製品である限り、テクノロジーの発展はどのブランドでも似たりよったりにはなるけれども、最後のチューニング一つでクルマのキャラクターは随分と変わる。デザインも同じだ。コンピュータの描き出す最適解はそう数あるものではないけれど、最後に人間の手が加わることで、そのブランドの魂を込めることができるのだ。

養蚕農家の家屋を移築したかつての主屋は、現在もテイスティンングルームやショップなどに使われている。移築してから100年以上経つというから驚く。

ワインには毎日の食事に併せて好きなだけガブガブ飲んでいいものと、ここぞ!と言う日に心を込めて栓を開けるものとがある。アルファ ロメオはどちらかというとハレの日にお似合いのクルマのように思うけれど、それを毎日楽しんでみるということもまた贅沢で楽しそうじゃないか。そんな話で盛り上がる。そういえばイタリアもワインの国である。テロワールの表現に長けている。そして、それをとても大事にする国でもある。楽しそうにクラムボンがわらってはしっている国なのだった。 

文=西川淳 写真=岡村昌宏

【試乗車】アルファ ロメオ ステルヴィオ 2.0 ターボ Q4 ヴェローチェ
ハンドリング性能に優れたスポーティなSUV。2.0 ターボ Q4 ヴェローチェは、280馬力の高出力エンジンを搭載し、本革のスポーツシートやブレンボ製のブレーキなどを標準で装備する走りと快適性を兼ね備えたモデル。価格は720万円。

アルファ ロメオ ステルヴィオ 2.0 ターボ Q4 ヴェローチェの詳しい情報はコチラ


くらむぼんワイン
山梨県甲州市勝沼町下岩崎835 www.kurambon.com
定休日 水曜日・年末年始 時季により臨時休業あり 

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