2021.10.15

CARS

ロールス・ロイス初のEVは2023年に登場 さらに2030年に完全電動化を明言

ロールス・ロイスが自社初の電気自動車(EV)についての発表を行なった。ロールス・ロイス初のEVの名は「スペクター」。新作が公開されたばかりの『007』の敵みたいな名前だが、ファントムやゴースト、レイスと同じく、異世界の強大な力や幻影を表すものだという。

その名はスペクター

存在感を誇示しながら、ごく限られた人々にしか手の届かない世界へ消えていく特別なEVのネーミングにふさわしい、というのが彼らの見解だ。今回のアナウンスでは、同社独自のスペースフレーム構造を用い、2023年の第4四半期に発表され、車名がスペクターになること以外、車両に関する詳細は開示されず、その全貌は車名のとおり、まだ曖昧模糊としていてつかめない。



ロールス・ロイス初のEVは2ドアのファストバック・クーペ

公開されたのはカモフラージュを施した車両の画像で、プロトタイプではなくこれが実際に量産されるものだとロールス・ロイスはいう。最初にしてもっとも優れた超高級EVと自負するそれは、前開きらしき2枚のドアを備えた「レイス」のようなファストバック・スタイルを採る。2016年に公開された奇抜な2ドア・クーペのコンセプト・カー、103EXを現実的に解釈したものといったところだろうか。

今後は、世界中でのべ250万kmにも及ぶテストを実施する予定だ。これは、ロールス・ロイスの平均的な使われ方からすると400年分以上に当たるシミュレーションだという。スペクターの姿が明確に見えるのはそれを経て、2023年の第4四半期という発売時期が近づいてからになりそうだ。





ロールス・ロイスの創業者たちは電気と縁が深い


スペクターでEV市場へ初参入するロールス・ロイスだが、創業者たちは電気との縁が深い。創業者のひとりであるヘンリー・ロイスが最初に興した会社は電気部品メーカーで、ダイナモや電動クレーン車を製造していた。もうひとりの創業者であるチャールズ・ロールスもロールス・ロイス社が立ち上がる前の1900年にモーター駆動の自動車を試作した実績もある。当時は電池の技術やインフラの問題で実用化できなかったが、「クリーンでノイズのない電動車が、充電状況の整ったはるか未来には非常に使いやすいものになるだろう」とロールスは100年以上前に予言していたのだ。



10年後にはすべて電気自動車に

翻って現代のロールス・ロイスは、静かで、洗練され、瞬時にトルクを発生し、とてつもないパワーを生む電力駆動こそが、彼らの求める浮遊感をもたらすと考えている。2017年にファントムで初導入されたアルミ製スペースフレームはEVへの発展性も考慮して設計されているという。そして今回、2030年までには内燃エンジン搭載車の販売を終了し、全車両をEVにすることを明言した。

文=関 耕一郎

(ENGINE WEBオリジナル)

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