2021.10.21

CARS

備えあれば憂いなし 横浜ゴムのスタッドレス・タイヤ「アイスガード7」に北海道の一般道とテストコースで試乗!

テストコースだけでなく、公道でもしっかり乗れた今回の試乗会。スタッドレスの決め手は滑らないことだけじゃないのを知った。エンジン編集部新井が北海道試乗会の体験をリポートする。

緊張しながらクルマの流れが速い旭川周辺の公道を走る

旭川周辺の公道走行からスタートした今回の試乗会。試乗車のカローラが履いているのはアイスガード7。4年ぶりにフルモデルチェンジした横浜ゴムの新しいウインター用スタッドレス・タイヤである。近年、温暖化により昼間融けた雪が夕方以降に凍る傾向が多くなってきた状況を受け、とくに氷上での性能向上に注力したという。



走り始めた空港近くは交通量が少なくクルマの流れが速い。さらに久々の雪上走行ということもあり、掌に汗を掻くくらいの緊張感が走る。しかし、不慣れな雪道でガチガチの運転手を尻目に、アイスガード7を履いたカローラは涼しい顔で雪景色の中を疾走していく。舗装路に慣れたラフなスロットル・ワークでも発進時にタイヤは空転しないし、高い速度からのブレーキングでも地元ナンバーの先行車と同じタイミングでペダルを踏んでいればABSのお世話になることもない。

市街地を抜けて山道へ。そこで感心したのは自然な操舵感だ。スタッドレスの中には舵角が大きくなるとガクッと縦方向のグリップ力が低下し、さらに思ったほど横方向のグリップ力が増えないため、クルマの挙動が不安定になるものがある。しかしアイスガード7は、縦方向のグリップ力の減り方が極端ではなく、横方向の力もそれに呼応してしっかり増えていくので、グリップ力が落ちる壁を探りながら操舵しなくていい。もちろん舗装路のようなGを楽しむことはできないが、縦、横ともグリップ力自体は十分だから、山道でも結構スポーティな走りが楽しめる。





謳い文句に偽りなし

翌日は、2015年に開設した横浜ゴムの新しいテストコースで新旧比較や氷上での性能を試す。

新旧比較の度に感心するのは、タイヤの進化の速さだ。「こんなスゴイのが出来たのか」と感銘を受けたタイヤが、数年後の新製品と比べると明らかに劣ったものに感じられる。今回も同様で、従来モデルに対して新型はグリップ力だけでなく、前の日に感じた操舵力の自然さを含め、誰が乗っても違いがわかるほどの進化を遂げていた。

最も力を入れた氷上でもそれは同じ。加速時、制動時ともに車両の電子デバイスの介入が少なく、実際に加速も鋭いし、制動距離も短い。従来型に対し、発進で15%、制動で14%の性能を向上させたという謳い文句に偽りはないと思えた。

高い雪上性能をキープしつつ、それとは相反する氷上性能に磨きを掛けた横浜ゴムの新作、アイスガード7。走る、曲がる、止まるの性能だけでなく、走りの質も求めたい人にお薦めのスタッドレスだ。

文=新井一樹(ENGINE編集部) 写真=横浜ゴム

(ENGINE2021年11月号)

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