2021.12.29

CARS

ちょっと古いベンツのハゲハゲのボンネットを再塗装!【メルセデス・ベンツ300TE(1992)長期リポート #103】

『エンジン』に掲載された編集部の長期リポート車、メルセデス・ベンツ300TE(1992年型)の過去13年間分の記事をWEBで再掲載している連載です。毎週水曜日12時更新。今回は走行距離が26万5200kmの2017年10月号のリポートです。

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【初回を読む】2008年、エンジン編集部で124型の購入を決定!

クリアが劣化してしまったボンネットを綺麗にし、新しいタイヤを履いて箱根に行った44号車。特集取材用の最新ポルシェ911から乗り換えてもガッカリしないドライバーズ・カーだった。

ボンネットを再塗装

今月の走行距離は1500km。いつもより短いのは、ボンネット再塗装のため10日間工場に入っていたからである。思い返せば9年前。走行3万4000kmで編集部にやってきた1992年型メルセデス・ベンツ300TEは、たったいまライン・オフした新車のように輝いていた。当時ですでに16年を経ていたのに、ボディが眩しく輝いていたのは、前オーナーが車庫保管していたためと思われる。

ザラザラのボンネットに白い染みのようなものが広がる再塗装前。

しかし、ENGINE長期テスト・リポート艦隊の第44号車になってからは一転、青空駐車になり9年間風雨にさらされ続けた。1年ほど前から、ボンネットに白い泡のような斑点が増え始め、今年になるととうとう大きな白い染みのようになってしまった。しかも、時間が経つにつれ、白い染みはどんどん広がっていく。再塗装しか手がないという判断をし、44号車を埼玉県三郷市にある「CRSワサダ」という塗装工場に持ち込んだ。

代表の和佐田隆裕さんによると、白い泡のような染みはクリアが劣化したために生じたもので、原因は紫外線や酸性雨などだという。ルーフも危険な状態だが、ボンネットが酷いことになったのは、エンジンの熱を下から受けていたから。「ルーフやボンネットなど、平面はクリアの劣化が早いですね。どんなクルマも避けられないことです。クリアの持ちを良くしたいなら、ワックスをかけるというよりも、もう1枚ガラス・コーティングをかけるのがいい。特に、再塗装した直後がお薦めです」(和佐田さん)。

古い塗装を剥がし、下地から塗り直した。CRSワサダの職人技に感謝(CRSワサダ:Tel.048-958-5150)。ボンネット再塗装費用は8万9600円だった。

クリアが劣化したのだからクリアだけ塗り直せばいい、ということにはならないそうだ。古いクリア、色、下地までを一度剥がし、下地から塗り直さなければならないという。

完成の連絡を受け、工場を再訪問すると、見ちがえたボンネットの44号車が待っていた。ボンネットだけが新しく塗装されたのに、フェンダーやドアなどと色のマッチングが素晴らしく、ボンネットだけが浮いている感じがない。職人技に拍手した。

タイヤも新しくなった

編集部員が最新ポルシェ911を取材している箱根へ、44号車で向かう。運転席から白い染みが見えないのが、こんなに気持ちいいなんて。気分がいい理由はもうひとつある。タイヤをダンロップVEURO VE303に履き換えたのだ。

ダンロップVEURO VE303に履き換えた。旧モデルVE302も高い静粛性に定評があったが、VE303はパターンを新開発、パターン・ノイズをさらに低減している。操縦安定性もさらに進化したほか、転がり抵抗はVE302より9%改善され、耐摩耗性能は25%アップ、低燃費とロング・ライフも実現している。オープン価格。

VEURO VE303はタイヤの内側に特殊吸音スポンジを搭載した静粛性に優れたタイヤだ。履き換える前、オールシーズン・タイヤを履いていたせいもあるのだろう。とりわけ静かになったように感じる。高速道路の継ぎ目を通過するときのトーン! という音がはっきりと小さい。空洞共鳴音という耳障りなノイズをスポンジが吸収するのだという。ひび割れた路面を通過するときのザーというパターン・ノイズも小さくなった。

さらに感心したのは、高速コーナリングの安定性だ。もちろん、箱根の峠を前走するポルシェ911にピタリとついていくことは出来ないけれど、タイヤに剛性感があって気持ちいい。ポルシェ911から44号車へ乗り換えたもうひとりのアライ記者も「いやあ、44号車が山道でこんなに楽しいなんて、見直しました!」と、目を細めた。

峠道を綺麗にロールしながら走る44号車。ボール・ナット式のステアリングは、操作に対する反応が素直で、フィーリングはとても滑らかだ。う~ん、気持ちいい! 最新のポルシェ911から乗り換えても、ガッカリ感がない。1992年型メルセデス・ベンツ300TEは、なかなかのドライバーズ・カーだと思った。



東京に戻って給油すると、これまでの最良燃費9.2km/リッターを記録。燃費は走り方によって大きく左右されるけれど、VEURO VE303のウリである低燃費性を実感できたようで嬉しかった。

文=荒井寿彦(ENGINE編集部) 写真=望月浩彦/茂呂幸正

■44号車/メルセデス・ベンツ300TE(1992)
Mercedes-Benz 300TE(1992)
購入価格 168万円
導入時期 2008年9月
走行距離 26万5200km

(ENGINE2017年10月号)

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