5代目レンジローバー誕生　もはやSUVのカタチをした高級サルーン

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ジャガー・ランドローバーが新型レンジローバーを世界初公開した。9年ぶりフルモデルチェンジとなった新型は1970年登場の初代から数えて5代目。これまで同様、ラグジュアリー志向の強い高級SUVのコンセプトはそのままに、時代の流れを受けて、電動化を大きく進めているのが特徴だ。

外観はレンジローバーそのもの

エクステリアはしっかりと立てられたウインド・スクリーン、ボンネットから真っ直ぐに続くショルダー・ライン、長いルーフ、大きなガラス・エリアといった伝統的なプロポーションを踏襲。全体のイメージは従来型にかなり近く、ディテールには現行モデルと同じ意匠があちらこちらに見て取れる。ただし、ルーフにレーザー溶接を用いるなどにより表面の凹凸を限りなく排除。消灯時には存在を主張しないテールライトの採用などもあって、塊感の強いスタイリングとなっている。

レンジローバーSVセレニティ・ロング・ホイールベース

多様性に富んだ新型プラットフォームを採用

プラットフォームは新型レンジローバーが初となる、「MLA-Flex」（flexible Modular Longitudinal Architecture）＝フレキシブルなモジュラー縦置きアーキテクチャーと銘打たれた新開発のコンポーネンツを採用。ホイールベースはロングとショートの2種類を設定し、これまで同様の5人乗りに加え、ロング・ホイールベース仕様には2列目に独立した2座シートを持つ4人乗りや、レンジローバー初の7人乗りも用意される。ショート・ボディのサイズは、全長5052mm×全幅2209mm（ドア・ミラーを含む）×全高1870mm、ホイールベース2997mm。ロング・ボディは全長が5252mm、ホイールベースが3197mmと、ショートよりもそれぞれ200mm長くなる。

レンジローバー・ショート・ホイールベース

ハイブリッドを軸に8つのパワートレインを設定

このプラットフォームは多彩なパワートレインへの対応が可能。新型レンジローバーはマイルド・ハイブリッド（MEV）のガソリンとディーゼル、電気での航続距離が100kmに達するプラグイン・ハイブリッド（PHEV）、さらに530ps/750Nmの高出力を持つV8ガソリン・ツインターボを揃える。さらに2024年には、ランドローバー初のバッテリーEV（BEV）もラインナップされる予定だ。

MEVとPHEVはすべて直6ターボ。MEVのガソリンは360ps/500NmのP360、400ps/550NmのP400の2種。ディーゼルは249ps/600NmのD250、300ps/650NmのD300、350ps/700NmのD350の3種。PHEVは440ps/620NmのP440eと510ps/700NmのP510eの2機種となっている。

レンジローバーSVイントレピッド・ショート・ホイールベース

環境に配慮したレザー・レス仕様も

インテリアは、持続可能性に配慮してレザーを使わない仕様をオプションで設定。ウール混紡と、30%の軽量化と製造工程での二酸化炭素排出量の75％削減を実現した「ウルトラファブリックス」を採用している。また、ウイルスやアレルゲンの対策となるナノイーXや、第3世代アクティブ・ノイズキャンセレーションにより、快適性の高い室内環境を追求した。

さらに特別なレンジローバーを用意

ジャガー・ランドローバーで高出力仕様をはじめとするスペシャル・モデルを輩出しているSVO（スペシャル・ヴィークル・オペレーション）が手掛けるさらに特別なレンジローバー、「レンジローバーSV」が2022年に登場する。

SVは内外装にメッキやセラミック、寄木細工、高品質レザーなどを用いた専用のディテールを採用。また、「SVセレニティ」、「SVイントレピッド」という2つのデザイン・テーマの内外装が用意されるほか、ファーストクラスのように快適な4座のシートを持つ「SVシグネチャースイート」を装着することでリムジンのような快適空間を作り出すこともできる

新型レンジローバーの生産はイングランドのソリハ工場で行われる。オリジナルのランドローバー以来の生産拠点だが、新型レンジローバーは新設された製造ラインから送り出される。

レンジローバーSVイントレピッド