2021.11.30

CARS

6.2リッター対660cc キャデラック・エスカレードとスズキ・ジムニー 一番大きいのと一番小さいのを乗り比べ!


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さらにこのサイズゆえに得られるものは、独特の「景色」。運転席からは、トラック以外ほとんどのクルマのルーフを見おろすようなアイ・ポイントで見晴らしが良く気分も上がる。が、近くを走るランクルやディフェンダーが小さく感じられ、リリパット国に来たガリバーのように、何かサイズ感がおかしく見える。



一方、このサイズゆえ、大きさ重さは動的性能に対してはネガとなる。が、6.2リッターOHVエンジンは逞しいトルクで巨体をグイグイ引っ張り、ゼロ発進こそよっこらしょっと緩慢に動くが、一度スピードに乗ってしまえば10段ATと相まって低回転を維持しながら力強く走る。シャシーもすごくしっかりしていてトラック感は皆無だ。

一般道ではゆったりしたアメリカンな乗り味の一方、高速道路ではビシッと高い安定性があった。マグネティック・ライドの効果も大きいのだろう。乗り出しこそ恐る恐るだったが、高速や郊外路ではサイズを気にせず走れた。

AKG製オーディオ・システムはヘッドレストの両脇など計36個のスピーカーを備える。

そして、このクルマ最大の魅力は、オーディオではないかと思う。実に36個ものスピーカーを備えたAKG製3Dサラウンド・システムを備える。音響にはまったく詳しくないが、メチャメチャ良い音!! 好きなアーティストの曲を聴きながら走れば気分も上がる。この音も、これだけの空間だからこそ実現できたのだろう。サウンドに浸っていたいがゆえに、目的地に到着しないで、なんて思ったのは初めてだった。エスカレードは、サイズの大きさを最大限活かした魅力を持つクルマだ。

軽自動車とは思えないスペースが魅力

続いて、小さい代表のスズキ・ジムニー。こちらのボディサイズは、全長3395mm×全幅1475mm×全高1725mm。世のクルマはモデルチェンジのたびに大きく立派に育っていく。特に輸入車はその傾向が強く、気に入っていたのにガレージに入らないから新型に買い換えられない、なんていうケースもある。が、ジムニーは先代とほぼ変わらぬスペックとなっている。もっとも、長さと幅に関しては、軽規格を最大限に使い切っているため広げようがない、とも言えるが。さらに、ホイールベースやトレッドも先代と同じ。なのに、室内空間はかなり広くなっているからすごい。やはりジムニーの魅力もひとつはスペースなのだ。ただし広さではなく効率。運転席も窮屈さはなくドライビング・ポジションも普通に取れるし、リアシートも十分なスペースが確保されている。さらに、助手席とリアシートを倒すとフラットな荷室になるなど、アレンジにも工夫が見られる。限られたスペースをいかに広く、効率良く使えるかが考えられている。狭い日本ならではのお家芸と言えるのではないだろうか。



たとえば、ビジネスホテルに泊まると、限られた空間に機能的・効率的に家具やベッドがレイアウトされていてその使い勝手の良さ、居心地の良さに感心することがある。日本人はパズルのように組み合わせて効率化を図るのが得意なのだと思う。

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