2021.12.15

CARS

ジョヴァンニ・ミケロッティを知っていますか? プリンス・スカイラインも手がけた偉大なるカー・デザイナーの足跡


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会場にはミケロッティが手掛けた象徴的な13台が展示された。加えて、子息エドガルドのコレクションから100点以上のスケッチや設計図、そしてスケールモデルも展開された。

量産車の脇にはミケロッティが関与する以前の車の実物大写真を配して、両者を比較できるよう工夫が施されている。英国ではそれまで極めて鈍重だったトライアンフのスタイルを斬新なものに生まれ変わらせ、BMWではブランドがその後10年余りにわたって維持することになるデザイン・アイデンティティを確立した。それらのクルマからは、彼がデザイナーとともに優秀なコンセプターでもあったことが確認できる。

日野コンテッサ1300クーペを描いたテンペラ画。1961年12月。


日本企業ともいち早く協力関係を構築し、1962年にはプリンスからスカイライン・スポーツを、そして1963年には日野コンテッサ1300を送り出した。いずれも残念ながら実車の展示は叶わなかったものの、日野自動車からは本人による精緻を極めたスケッチをはじめ、日本でも接する機会が少ない資料が貸し出された。

ミケロッティが1980年に58歳で没するまでに手掛けた車はフォーリ・セ―リエも含めて1200以上にのぼる。1世紀前にカーデザインの都に生を受けた天才の仕事は、今再び評価されつつある。



※「Michelotti World 1921-2021」はトリノ自動車博物館で2022年1月9日まで開催。

文・写真=大矢アキオ Akio Lorenzo OYA


(ENGINE2022年1月号)

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