2021.12.16

CARS

パワートレインは三菱製! 日産とのアライアンスを活かした新型三菱アウトランダー登場!!

日本ではプラグイン・ハイブリッド専用車となった新型アウトランダー。プロトタイプをクローズド・コースで、という限定的な条件ながら試乗することができた。自動車ジャーナリストの佐野弘宗がリポートする。

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4年ぶりの自社開発モデル

新型アウトランダーは2017年秋にグローバル発売となったエクリプス・クロス以来、4年ぶりとなる自社開発の新型三菱だ。三菱がルノー日産とのアライアンスに参画したのは2016年5月だから、同アライアンス傘下で新規に自社開発された三菱車はこれが初である。



そんな新型アウトランダーは、日産主導で設計開発されたモジュール・プラットフォーム「CMF-C/D」を基本骨格とする。先に発売された北米仕様のパワートレインは2.5リッターガソリン・エンジンだったが、今回の日本仕様は三菱独自開発のプラグイン・ハイブリッド(PHEV)一択。その基本構成は従来どおりの2モーター4WDで、2.4リッターエンジンも従来改良型だがモーターは前後とも30%ほど出力アップ。駆動電池も13.8kWhから20kWhに大容量化。満充電でのEV航続距離も83~87km(先代は57.6km)と大幅に伸びた。全車が急速充電対応なのも先代同様だ。



おなじみのダイナミックシールド顔を受け継ぎつつも、先代とは別物のマッシブな外装デザインも目を惹くが、今回の主要開発テーマのひとつは内装の質感アップだった。というのも、先代は当初300万円台中心のクルマとして開発されたが、途中追加されたPHEVは、欧州などでは500~600万円の高級ブランドSUVと競合するようになったからだ。ちなみに、その後の三菱の方針変更によって、欧州における新型アウトランダーの発売予定は白紙になったのだが、手ざわりの良いソフトパッドやメッキをあしらった内装調度は先代と比較にならないほどの高級感だ。また、PHEVにもついに3列7人乗りが用意されるようになったのは日本市場からの強い要望という。



現時点ではクローズド・サーキットでの限定的な試乗にとどまるが、とにかく高い剛性感と、正確かつ強力に利くステアリングが印象的。贅沢なデュアル・ピニオン式となったパワーステアリングも信頼感あるフィーリングである。

独自の2モーター4WDは、フロントにブレーキ制御によるトルクベクタリング、そしてリアにはフロントより高出力なモーターを備えており、サーキットでもわずかなキッカケから積極的にアクセル・ペダルを踏んでいくと、なんとも滑らか、かつきれいに曲がってくれる。それもエクリプス・クロスのように不自然なほど曲がりまくるのではなく、お尻がドシッと安定して強力に前に押し出していくトラクション性能は、新型プラットフォームの高度な基本フィジカルが如実に出た結果というほかない。

文=佐野弘宗 写真=小河原 認



(ENGINE2022年1月号)

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