2021.12.24

CARS

GR86、GRヤリス、GRスープラ、ランドクルーザーGR SPORTにイッキ乗り! これが「GRの世界」だ!!

GRスープラ、GRヤリスに続き、ここにきてエンジンの2・3月合併号の表紙にもなっているGR86とランドクルーザーGR SPORTがラインナップに加わり、もっか大注目のトヨタの新しいスポーツ・ブランド、GR。その目指すところはどこか。佐藤久実、島下泰久、山本シンヤの3人のモータージャーナリストにエンジン編集長の村上を加えた4人で4台にイッキ乗りしながら「GRの世界」を探ってみた。今回はそのプロローグをお届けする。

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ガズー・レーシングの原点とは?

村上 今日はもっか勢いに乗るトヨタのスポーツ・ブランド、GRの世界観を探るため、このブランドに詳しい3人のジャーナリストのみなさんと箱根にやって来ました。まず、私から素朴な質問があります。GRって名前は“ガズー・レーシング”の略ですよね。では“ガズー”っていうのは、一体なんなんですか?

山本 もともとはネットの中古車検索サイトの名前なんですよ。それをトヨタの中でやっていたのが、社長になる前の豊田章男さんなんです。



島下 当時はまだ中古車の画像検索というのがなかったところに、まず、ディーラーの画像端末で、日本全国の中古車在庫を見られるようなシステムを立ち上げた。

佐藤 その画像=ガゾウに、動物園のズーをかけて“ガズー”。

村上 なんと、そういうことなのね。

山本 それと並行して、インターネットのコミュニケーションの場がトヨタにはないというので、やはり章男さんが立ち上げたのが、今もある“ガズー・ドット・コム”なんです。その中のコンテンツの1つが“ガズー・レーシング"でした。当時、トヨタは世界一の販売台数になって盛り上がる反面、2007年にMRSが生産終了になり、ラインナップにスポーツカーが1台もなくなって、クルマ好きにそっぽを向かれていた。で、お客さんと直接コミュニケーションをとる場をつくったのです。

佐藤 一方で、章男さんがマイスター・テスト・ドライバーの成瀬弘さんに運転を教わりにドイツのニュルブルクリンクに行った時に、そこでいろいろなメーカーが新型車のテストをして走っているじゃないですか。ところがトヨタにはそういうクルマが1台もないことに衝撃を受けた。



山本 ほかのメーカーは数年後に出る新型車をたくさん走らせているのに、トヨタには中古車のスープラしかニュルを走るクルマがない。その悔しさがあったと言ってましたよね。

村上 なるほど、今に至るガズー・レーシングの原点は、ニュルで開発し、あのコースを外国のスポーツカーと対等に走れるクルマをつくろうということにあったのですね。

山本 加えて、それに関わる人材を育てようということもあったと思います。で、成瀬さんの提案でニュル24時間レースに出ることになり、その時にガズー・レーシングの名前で参戦することになったわけです。

島下 だから、スープラというクルマはとても重要な意味を持っている。みんなが新型車で走る中を古いスープラで走って悔しい思いをした十数年後に、ついにガズー・レーシングとして初めて新しいスポーツカーを世に出すことになる。それが2019年のGRスープラの誕生なんです。



村上 ついに念願が叶った。

佐藤 2019年のニュル24時間レースには、新型スープラで参戦し、章男さんもドライバーのひとりとして乗って、完走しています。

島下 そういう中で、最初はトヨタ・ワークスではなかったガズー・レーシングが、やがてトヨタのモータースポーツ活動の軸になっていく。

山本 GRカンパニーとして組織が立ち上がったのが2017年。その頃から、モータースポーツを起点にクルマづくりをするという考えのもと、ニュル以外のWRCやスーパーGT、WECでの活動もガズー・レーシングに統一していくわけです。

島下 レースとスポーツカーは企業が傾くと真っ先に切られる。だから常にその事業で収益を上げていないとダメだ、という考えでやっているところがGRのポイントだと思います。レースで人とクルマを鍛えて市販車をつくる。それをお客さんに届けて収益を上げてレースをする。そういういい循環ができている。

村上 その中から生れてきたのがスープラであり、ヤリスであり、86であるということですね。では、まず最新の86の話から始めましょう。



「GRの世界」を探るシリーズ、今後GR86RZ、GRヤリス“モリゾウセレクション”、GRスープラRZ、トヨタ・ランドクルーザーGR SPORTの4台を、2022年1月中旬から順次公開の予定。乞うご期待!

話す人=佐藤久実+島下泰久+山本シンヤ+村上 政(本誌、まとめも) 写真=柏田芳敬

(ENGINE2022年2・3月号)

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