2022.01.24

CARS

EVでも4輪駆動で勝負 1000馬力超を誇るスバルSTIの電動レーシングカー「E-RAコンセプト」

スバルとスバル・テクニカ・インターナショナル(STI)は東京オートサロン2022で電動パワートレインのレースカーを提案する「STI・E-RAコンセプト」を公開した。

カーボンニュートラル時代のレースを模索

STIは現在、STI近未来モータースポーツスタディプロジェクト「STI E-RAチャレンジプロジェクト」を立ち上げ、カーボンニュートラル時代のレース活動を模索している。その中で開発を進めてきたのが今回のE-RAだ。



4輪で車両の姿勢を制御

スバルの強みである「全輪制御技術」のノウハウを活かすべく、4つのモーターによる4輪トルクベクタリング技術を採用。モーターはヤマハ製で、ギアとインバーターを一体にしたハイパーカー向けの高回転・高出力タイプを使用する。60kWhのリチウムイオン・バッテリーを搭載し、システム出力は1088psに達するという。

車輪速や車速、舵角、G(加速度)、ヨーレート、ブレーキ圧、車輪の荷重といった要素を検知するセンサーからの情報に基づき各輪の駆動制動トルクを制御。さらにモーターを4輪それぞれに直結し応答性を向上させることで、荷重移動に伴って最適な駆動力を伝達してグリップを最大限まで引き出しつつ、姿勢の安定化も図る。



まずはニュルブルクリンクでタイムアタック

こうした構造はFIAが創設した電動GTカテゴリーのE-GT規定にも適合する。最高出力はレギュレーションにある585psを大幅に上回るが、その調整は容易に行えるため、レースへの参加に支障はない。むしろ、1000psオーバーに対応した開発を行うは将来レース参戦する上で大きなマージンになるだろう。

今後は年内に走行試験を重ね、2023年以降にニュルブルクリンクで6分40秒(400秒)以下のラップタイムを目指す。ちなみに、6分40秒は2021年6月にポルシェが911GT2RSマンタイ・パフォ―マンス・キット装着車で記録した市販車最速タイムの6分38秒84に肉薄するタイムだ。



スバルの新型EV「ソルテラ」のSTIバージョンもデビュー

また、会場では年内発売予定のEV、「ソルテラ」のSTI仕様を想定したコンセプト・モデルも出展。水平対向エンジンを看板としてきたスバルが、電動化へ舵を切ることを強く世間に印象付ける展示となった。



文=関 耕一郎 写真=関 耕一郎、スバル

(ENGINE WEBオリジナル)

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