2022.03.12

CARS

コチラは何年待ちか? レクサスのフラッグシップSUV、LXの新型にクローズド・コースで試乗した。


advertisement


従来はLX570のモノグレードだったが、新型は標準仕様のLX600(1250万円。従来型と比べて100万円あまり高い)に加えて、「エグゼクティブ」(1800万円)と「オフロード」(1290万円)という計3車種がラインアップされている。エグゼクティブは48度までリクライニングするという左右独立の贅沢なリア・シートを備えるリムジン仕様、オフロードはブラックアウトされたホイールアーチ・プロテクターや18インチ・タイヤ、センターに加えて前後にもデフロックを装備する本格的クロスカントリー志向で国内専用モデルという。



新型300系ランドクルーザー同様ボディ・オン・フレーム構造を採用するのはこれまで通りだが、フレームそのものは一新され車重は従来型に比べて200kgほど軽くなっているという。ボディ外寸はランドクルーザーより若干大きいものの、デザイン上の違いにとどまり、2850mmのホイールベースは同じ。前ダブルウィッシュボーン、後ろトレーリングリンク式リジッドというサスペンション形式も同じだが、LXはAHC(アクティブ・ハイト・コントロール・サスペンション)というガスと油圧による車高調整式サスペンションと可変ダンパーのAVSを標準装備する点が異なる。オンロードでのピッチングが気になった新型ランドクルーザーより明らかに滑らかでフラットに走る。悪路での走破性のための長大なサスペンション・ストロークと、舗装路でのスタビリティとフラットな乗り心地はコンベンショナルなサスペンションでは両立が難しい。標準モデルでも2.5トンを超える重く大きなボディを支え、砂漠でも思い切り飛ばすアラブの王族の要求に応えるためには、やはり可変制御の脚まわりが必要なのだ。



それよりも特設オフロード・セクションでのスムーズな挙動に驚いた。浮いた空転輪にブレーキをかけて駆動力を確保する際のレスポンスや、クロール・コントロールとダウンヒル・アシストを使用して急傾斜を上り下りする場合のスロットルおよびブレーキ制御(電子制御油圧式)は以前と見違えるように滑らかで、作動音も静かである。世界のプレミアムSUVを相手にするレクサスLXは万全の走破性とともに高い洗練度が欠かせないのである。

文=高平高輝 写真=望月浩彦

標準型は20インチ、エグゼクティブは22インチタイヤが標準。


■レクサスLX600
駆動方式 フロント縦置きエンジン4輪駆動
全長×全幅×全高 5100×1990×1885mm
ホイールベース 2850mm
車両重量 2550kg(5人乗り)
エンジン形式 V型6気筒DOHC24V直噴ツインターボ
総排気量 3444cc
ボア×ストローク 85.5×100.0mm
エンジン最高出力 415ps/5200rpm
エンジン最大トルク 650Nm/2000-3600rpm
変速機 10段AT
サスペンション形式(前/後) ダブルウィッシュボーン式/4リンク車軸式
ブレーキ(前後) 通気冷却式ディスク
タイヤ(前/後) 265/55R20/109V
車両価格(税込) 1250万円

(ENGINE2022年4月号)

無料メールマガジン会員に登録すると、
続きをお読みいただけます。

無料のメールマガジン会員に登録すると、
すべての記事が制限なく閲覧でき、記事の保存機能などがご利用いただけます。

いますぐ登録

タグ:

advertisement

PICK UP



RELATED

advertisement

advertisement

PICK UP

advertisement