2022.04.18

CARS

NSXがBEVで復活するかもしれない ホンダが電動化への未来予想図を更新

ホンダが4輪電動ビジネスに関する会見を実施。これまでの取り組みの成果と、今後の計画を発表した。

電気自動車のスポーツカー開発を明言

1年前の2021年4月に行われた会見では、三部敏宏社長が2040年までに全車をBEVもしくはFCVとすることを明言。自動車業界だけでなく経済界などにも衝撃が走るとともに、スポーツカーなど刺激的なクルマを欲する一部のホンダ・ファンからは失望の声が聞かれた。それを踏まえてか、今回は政治かつ経済できな目標だけではなく、お楽しみも用意。電気自動車のスポーツ・モデルを準備中であることを明らかにした。



10年で8兆円を投資 

これまでの取り組みについては、今後の変革に向けた基盤づくりとして進めてきた既存事業の盤石化は成果を上げつつあるという。2018年比で4輪生産コスト10%削減に目処がつき、世界規模でのモデル数は2025年に3分の1に減らすという目標を掲げているが、現在ですでに半分以下に削減したという。また、電動化をさらに推進するべく、組織再編も実施した。

こうした合理化の一方で、研究開発へは積極的に投資する。その額は今後10年で約8兆円。そのうち電動化とソフトウェアの開発には約5兆円が充てられる予定だ。たとえば、次世代電池として開発中の全固体電池については約430億円を費やし、2024年春の立ち上げに向けて実証ラインを建設する。全固体電池の実用化は2020年代後半を見込んでおり、それまでは地域ごとにバッテリー調達強化を図る。



2024年に軽商用BEVを発売

市販電気自動車(BEV=バッテリーEV)については、2024年に日本では100万円台の商用タイプの軽自動車を、また北米でGMと共同開発中の中型と大型BEVの2機種をそれぞれ投入する。その後、日本では乗用タイプの軽軽自動車やSUVなどを適時、中国では2027年までに10機種をそれぞれ発売する。

さらに、2026年からは新たなBEV向けプラットフォームを用いた市販車が登場し、2027年以降には北米を皮切りに、コストと航続距離をガソリン車並みとした量販モデルを順次展開。これを見込んで、中国ではすでに準備が進んでいる武漢に加え広州でもBEV専用工場建設を、北米ではBEV専用ライン設置をそれぞれ計画している。



4輪の半分を電動化

当面のBEVの生産目標は、2030年までに軽商用からフラッグシップまでグローバルで30機種を設定して、年間生産200万台突破を掲げている。2021年のホンダの年間生産台数はBEVと内燃機関モデルを合わせて414万台弱。つまり9年後の2030年にはその半分近い台数をEVに置き換えようとしているのだ。

準備中と発表したBEVのスポーツ・モデルについては、発売時期をはじめ、具体的なことは発表されなかったが、スペシャリティとフラッグシップというクラスの異なる2機種であることは明言された。

電動化への道筋をより明らかにした今回の会見。電動化が不可避である以上、せめてファンなEVが生まれることを期待したい。



文=関 耕一郎

(ENGINE WEBオリジナル)

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