2022.05.08

CARS

レヴリミットの8000回転まで吸い込まれるように加速するF1由来のエンジンが凄い! マセラティ新時代の幕開けを飾るMC20に初試乗!!

マセラティMC20

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しかし、まったく違っているものもあった。“ネットゥーノ(海洋神ネプチューンのイタリア語)”と名づけられた新開発の3リッターV6ツインターボ・ユニットの回転フィールだ。F1由来のパッシブ・プレチャンバーという高度な燃焼システムを導入したというこのエンジン、下のトルクもしっかり出ているから、大して踏まなくてもフツーに走れてしまうのだが、いざ踏んでみると、これがまるでバイクのエンジンのようなバババババババッという音を響かせて、すごい勢いで吹け上がっていく。とりわけ、5000回転から上の回り方は圧巻で、レヴリミットの8000回転まで、吸い込まれるように加速していく感じだ。繊細にアクセレレーターを操作すると自然吸気のような感触の加速感が味わえるが、ドンと踏みつけると、今度はプヒャーという大きな音を立ててターボ感丸出しのエンジンに変身する。このエンジンの感触は、これまで味わったことのないもので、新鮮だった。



箱根の山道での走りも、ミドシップならではの回頭性の良さのおかげでコーナーにスーッと入って行けるのが気持ち良かった。しかし、それでも、ボディの大きさは少なからず気になった。車重も車検証で見ると1670kgもあって、決してライトウェイトなスポーツカーではない。サーキットのようなところでこそ、本領を発揮するタイプだろう。

正直なところ、1日乗ってかなりくたびれた。それは時速80kmに達すると必ずどこかから共鳴音が聞こえてきたりするようなことが、ストレスを生んだせいもあるだろう。やはり、このクルマの最大の美点は、古典的ではあるが洗練された見た目のカッコ良さにあると思う。それと同じくらい古典的ながら洗練された乗り味に仕立てられていたら、諸手を挙げて絶賛したのに。少し残念だ。

文=村上 政(ENGINE編集長) 写真=柏田芳敬



■マセラティMC20
駆動方式 エンジン・ミドシップ縦置き後輪駆動
全長×全幅×全高 4669×1965×1221mm
ホイールベース 2700mm
トレッド(前/後) 1681/1649mm
車両重量(車検証) 1640kg(前軸660kg、後軸980kg)
エンジン形式 90度V型6気筒DOHCツインターボ
排気量 3000cc
ボア×ストローク 88×82mm
最高出力 630ps/7500rpm
最大トルク 730Nm/3000-5500rpm
トランスミッション 8段湿式デュアルクラッチ式自動MT
サスペンション(前後) ダブルウィッシュボーン/コイル
ブレーキ(前後) 通気冷却式ディスク
タイヤ(前) 245/35ZR20、(後) 305/30ZR20
車両本体価格(税込み) 2664万円

(ENGINE2022年6月号)

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