2022.05.08

CARS

レヴリミットの8000回転まで吸い込まれるように加速するF1由来のエンジンが凄い! マセラティ新時代の幕開けを飾るMC20に初試乗!!

マセラティMC20

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そんなことをつらつら考えながら、斜め上方に大きく開くバタフライ・ドア(これは狭い駐車場では確実に隣のクルマに当たるか、壁につっかえて出られなくなるだろう)を開けて思い切り低い位置にあるドライバーズ・シートに腰を下ろす。レザーやカーボン、アルカンターラをふんだんに使って高級感を醸しだしてはいるけれど、基本は極めてミニマルなスポーツカーのコクピットだ。



ブレーキを踏みながらステアリング・ホイールのスタート・ボタンを押すと、背後の3リッターV6ツインターボ・ユニットが大きな雄叫びを上げて目覚めた。最近はボタンを押してもヒューンという電子音が響くだけのスーパーカーも増えてきたので、こういう爆音を聞くと、こちらも目を覚まされたような気分になる。

左手でパドルを引いてギアを1速に入れて走り出す。動き出しはとてもスムーズだが、まだエンジン回転は安定せず、爆音が響きわたっているので、遠慮しながら、ゆっくりと慎重に車道へとクルマを下ろした。

で、数百mも行かない内に、なるほどこれは、見た目どおりの古典的なスポーツカーなのだ、と悟った。乗り心地が悪いとは言わないが、足はしっかりと締め上げられていて、目地段差ではドシンという音を立てて通過するから、決していいとは言えない。しなやかに動くのではなく、昔ながらのスポーツカーの路面を押さえつけるようにして走るタイプだ。



ステアリングは重めで、センター付近にほとんど遊びがなく、わずかな操作にも機敏に反応するから、運転していて、かなり緊張感がある。それに信号で止まっていても、ステアリングにはエンジンの細かな振動が伝わってくるし、同じ振動は座面が薄く硬めのサベルトのシートを通じても常にお尻に響いてくる。アイドリング・ストップなんてヤワなものは付けられていないのだ。

遮音材をかなり省いてあるのだろう、少しホコリっぽい路面を通過したら、カラカラカラと小石がホイールハウスの中で飛び散る音が響き渡った。さらに大きめの目地段差を越えたら、助手席側の窓のあたりからバキッという音がしたのには正直、驚いた。カーボン・モノコックのボディがあまりに強固だから、逆に入力された力の逃げ場がないのか。

こんなレーシングカーみたいなスポーツカーに前にも乗ったことがあるなぁ、と考えて頭に浮かんだのは、アルファ・ロメオ8Cと4Cだった。極めてプリミティブな乗り味だったそれらとは違って、もっと洗練されてはいるものの、コアにあるものはまったく同じだという気がする。そういえば、8Cと4Cもこれと同じくイタリアのレーシングカーづくりの名門ダラーラがカーボン・モノコックの基本設計を行ない、しかも、まったく同じマセラティのモデナの工場で作られていたのだから、似ているのも当然と言えば当然か。

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