2022.06.18

WATCHES

ドイツの職人技に思わず見惚れるモリッツ・グロスマン

ベヌー・トレンブラージュ ステンレススティールのモデルには、ブルーに焼き戻 された針を採用。ケースバックからは2/3プレート、 ゴールドシャトンの穴石など19世紀のグラスヒュッテ スタイルを踏襲するムーブメントの姿が楽しめる。手 巻き。ケース直径41mm。506万円。

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ダイアルに施された精緻な彫刻。そして、手作業で焼かれて輝く針。芸術品とも言える時計は見る者を虜にする。これぞモリッツ・グロスマン創立13周年記念モデルだ。

伝統技法の結晶

1826年にドイツのドレスデンで生まれたモリッツ・グロスマン。技術教育学校を卒業後、ヨーロッパ各国で修行を積み、1854年に帰郷すると自らの工房をグラスヒュッテに設立。また、時計学校を創設するなどドイツの時計産業に多大な貢献を果たした偉大な時計師だ。そんな彼の名と精神を受け継ぎ2008年に復活したブランド、モリッツ・グロスマンの創立13周年を記念したモデルが発表された。

ベースに選ばれたのは3針モデルの「ベヌー」。13周年記念モデルでは銅・ニッケル・亜鉛の合金であるジャーマンシルバー製のダイアルに、トレンブラージュと名付けられた彫刻技術を施した。フランス語で「震え」を意味するこの彫刻は、ビュランと呼ばれる工具の角を地板に押し当て、前後左右に細かく動かし続けるのだが、細かく隆起した模様がなんとも美しい。

そして、ポリッシュに仕上げられたインデックスはダイアルと一体だというのだから驚かされる。「シンプルだが完璧な時計」を追求した時計師モリッツ・グロスマン。この時計にはその精神が、受け継がれた職人技を通して宿っている。






モリッツ・グロスマンの時計はパーツの仕上げやテンプ受けの彫刻は手作業によるもので、針も自社で製造している。全てにおいて熟練した職人技が細部にまで及び、今回の記念モデルのダイアルもいくつもの専用工具を使い分けて仕上げている。


今回は18Kローズゴールドケースのモデルも用意されている。ケースの色に合わせて針はブランド独自の色であるブラウンバイオレットを採用した。682万円。

文=前田清輝(ENGINE編集部)

(ENGINE2022年5月号)
※価格は雑誌掲載時点のものです。

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