2022.06.24

CARS

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ルノー・アルカナR.S. Eテック・ハイブリッドでグランドツーリング! 富山県高岡のクラフトビール醸造所を訪ねた!!

ルノーからまったく新しいハイブリッド・モデルのアルカナが発売された。このルノー初のフル・ハイブリッド・モデルを試すのは、ロング・ドライブがいいということで、富山県のとある場所に行ってみることにした。

不思議な名前のついたクラフトビールを飲みに行く

とある場所というのはまるで江戸時代にタイムスリップしたような古いまち並が残る高岡だ。

端から端まで歩いても10分とかからない町筋にずらりと千本格子の家並みが続く奇跡のような場所、金屋町。重要伝統的建造物群保存地区に指定されているこの金屋町に、「机の引き出し」という不思議な名前のついたクラフトビールがあると聞き、その醸造所、「ラティスワーク・ブリューイング」を旅の目的地に決めた。



この場所を目指した理由は後に明かすとして、まず東京から高岡までの距離は、中央高速、高山経由で約350km、関越自動車道、上越経由の場合は約450kmもある。

これはもう立派なグランドツーリングである。所要時間はほぼ全行程高速道路の関越自動車道の方が早いが、ルノー初、輸入車としても今のところ唯一のフル・ハイブリッド車の性能を試すなら、高速道路や街中、山岳ワインディングなどもあった方がいいと思い、中央高速、松本、安房峠、高山、東海北陸自動車という、より変化に富んだルートを選んだ。



試乗車のアルカナR.S.ラインEテック・ハイブリッド、なんと言っても注目はF1の技術を取り入れたというハイブリッド・システムだ。動力源は、1.6リッターの自然吸気直列4気筒エンジンにHSG(ハイボルテージ・スターター・ジェネレーター)と呼ばれる発電と駆動の両方を行うモーターと、駆動のみを受け持つモーターの、2モーターで構成されている。

この動力を伝達するトランスミッションがポイントで、エンジン側に4段、モーター側には2段のギアがあり、なんと変速パターンは12通りもあるという。



いちばんの驚きは、この変速をドッグクラッチで行うことだ。ロスなく素早くダイレクトに動力が伝えられることから、モータースポーツで多用されるシステムだが、ドッグという名前からも想像できるように、別名、噛みつきクラッチとも言われ、実は強烈な変速ショックをともなうのが一般的だ。いくらF1由来の技術と言ってもレーシングカーでもない市販車では果たしてどうなのか。

しかし、乗ってみると、これがドッグクラッチを使っているとは俄には信じられないくらいスムーズで、滑らかかつ上質な走りはとにかく驚くほかない。通常の発進はモーターのみで、静かだし、速度を上げて行ってもなかなかエンジンはかからず、さらにスピードを上げようとアクセレレーターを踏み込むと、やっとエンジンがかかるが、それも体感的にはほとんどわからない。



ルートは、東京を離れて高速道路を一気に松本まで走り、一般道で安房峠を越える難所にさしかかる。一定の速度で走る高速道路と違い、スロットルのオンオフやブレーキングを多用する山道では、相当複雑な制御をしているに違いないが、そのロジックがまったくわからない。システム全体の143馬力という最高出力は、登りの峠道でもまったく痛痒を感じることはなかった。

後でルノー・ジャポンに確認したところによると、どういう状況でどのようにエンジンとモーターを使い、ドッグクラッチのショックを感じさせずにいかに適切なギアでコントロールするかという、制御プログラムこそがF1での知見を生かした技術のいちばんのキモだという。妙な言い方かもしれないが、アルカナは、最新技術の凄さを感じさせないところが凄い。どんな秘密があるのかまったくわからない。そこがいいと思った。

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モノづくりの精神

そんな最新技術を秘めたアルカナEテックハイブリッドで目指した高岡、金屋町のクラフトビールの醸造所「ラティスワーク・ブリューイング」で出迎えてくれたのは、オーナーの大島紀明さんだ。

実は大島さん、高岡でクラフトビールづくりを始める前は日産のエンジニアだったという。主にブレーキやABSの制御系の開発を担当し、試作しては自らクルマに乗って、モノづくりに没頭した。そんな大島さんがクラフトビールに出会ったのは、中心メンバーのひとりとして、アメリカでリーフやムラーノの立ち上げ携わったときだ。家族で2012年の10月から2014年の9月まで住んでいたミシガンで、美味しさと楽しさにハマった。休みのたびに各地の醸造所を訪ね、時にはメキシコまで足を伸ばしたというから相当な入れ込みようだったに違いない。



転機は日本に戻った2016年。モノづくりの現場から調整役へと経験や年齢とともに立場も仕事の内容も変わりつつあることに違和感を覚えた大島さんは、キッパリと日産を辞め、そのままクラフトビールの世界に飛び込む。38歳の頃だ。

「クルマが大好きだったので、クルマづくりの仕事はすごく楽しかった。でも、何万人という人がかかわるなかで、自分ができることも限られていた。いまはひとりですが、全部自分で決めて、最後まで自分の手でつくることができる。お客さんと一緒に楽しむことまでできるんですから、面白くないわけがない」

クラフトビールづくりは、「手を動かして、理詰めでものづくりをするプロセスが、エンジニアの仕事に似ている」という大島さんだが、それはビールに限ったことではないらしい。修行を終えて、奥さんの実家がある金屋町に移住先を見つけると、伝統的な建物の外観はそのまま、お店の内装や工場はもちろん家族が暮らす所まで、すべてDIYでつくり上げたという。しかも、工場に並ぶタンクまで自ら設計したというのだから驚くばかりだ。





「工場の方が自分にとっては本当の仕事場なんです。お店の方ではお客さんとわいわいやってますが、工場で作業をするときは誰も中には入れません」

そんな大島さんがつくったクラフトビールはすこしずつファンや取引先も増えて、地元富山の有名なオーベルジュでも提供されるようになった。ずらりと並んだ注ぎ口のひとつには定番の「金屋エール」のネームが貼られている。問題はその一番右端のネーム「机の引き出し」だ。



実はアルカナは、ラテン語のアルカーヌムの複数形で、「机の引き出し」という意味があり、さらに隠されたものから転じて「神秘」や「秘密」という意味もある。種明かしをすると、机の引き出しというネーミングは大島さんの洒落で、取材時はまだ未完成だったが、「ARKANA」と入った本当のラベルがある。しかも、笑ってしまうのはそのラベルには、ドッグクラッチよろしく注ぎ口から水をガシガシと噛みつくようにがぶ飲みする愛犬の柴犬の写真が使われている。

大島さんはいまでもクルマづくりで共に奮闘したエンジニア時代の友人たちと交流があり、なかにはこのフル・ハイブリッドのアルカナの関係者もいる。クラフトビールのアルカナは同じモノづくりにたずさわる者としての、大島さんからの遊び心にあふれたエールというわけだ。

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アルカナをテイスティングする!

大島さんのつくったアルカナは黒ビールだが、思わず美味しいと言葉が出るほどシルキーでスムーズな飲み心地だった。黒ビールが苦手な人もいるが、これはスッキリして飲みやすい。まるで、クルマの方のアルカナの乗り味みたいではないか。次は大島さんの番だ。今度はそのアルカナEテック・ハイブリッドをテイスティングしてもらおうとキーを渡した。しばらくして戻った大島さんの嬉しそうな顔と言ったらない。

「想像した以上にスムーズですね。音も静かだし、乗り心地もやや硬めではあるけれど悪くない。それどころかむしろいい。速度が上がるほどフラットになるし、スタビリティも高い。ハンドリングもけっこういいですね。とにかく良く曲がる。SUVなので重心は高いけど、ロールしても底の部分でグッと踏ん張るので安心感は高いと思いました。あと、クーペ・スタイルはやっぱりいいですね。カッコいい」



と一気に話す内容は、すべて的確で、しかもわかりやすい。まさにエンジニアのコメントだ。生き生きと語る様子から、大島さんがクルマづくりを楽しんでいた頃が想像できた。

アルカナEテック・ハイブリッドでのグランドツーリングは想像した以上に楽しい旅だった。目的地の金屋町や大島さんのクラフトビールが素晴らしかったことは言うまでもないが、往復800km以上のドライブがまったく苦にならない。アルカナはCセグメントのスタイリッシュなSUVだが、優秀なGTカーだと思う。

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ラティスワーク ブリューイング タップハウス
〒933-0841 富山県高岡市金屋町3-15
定休日:日月木(不定休あり) 平日:18:30-21:30 土祝:11:30-14:30、17:00-21:30
営業日等の最新情報はSNSで確認できます。https://www.instagram.com/latticetagram2019/

大島さんがつくったクラフトビールが横浜でも飲める!

SDN yokohama
231-0002 横浜市中区海岸通1-1
横浜大さん橋の袂にある、台湾クラフトシューズとクラフトビール専門店。フォトジェニックな空間で、季節を感じながら飲むクラフトビールは格別。

セブンイレブン横浜ハンマーヘッド店
231-0001 横浜市中区新港2-14-1
国内外のクラフトビールや輸入菓子などを多数取り揃える、大人も子どもも楽しめるコンビニエンスストア。クラフトビール関連グッズも充実しており、多くのファンを抱える人気店。

※「ARKANA」は限定生産のため各店とも予定本数に達した場合は販売終了となります。

文=塩澤則浩(ENGINE編集部) 写真=望月浩彦

(ENGINEWEBオリジナル)

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