2022.07.14

CARS

SUVの新しい潮流 5ドア・ファストバックをSUV風にアレンジしたプジョー408が登場

プジョーは新規モデルとなる408を発表した。サイズもスタイルもこれまでのプジョーのカテゴライズに当てはまらない新ジャンル・カーだ。

欧州を主軸に置いた新規モデル

現在、「408」の車名は308をベースにボディを拡大した中国向けのセダンにも用いられているが、そのクルマとは全くの別モノ。また、508の前身となるDセグメントのセダン&ワゴンの「407」シリーズの流れを汲むモデルでもない、欧州市場(もしかしたら日本を含む)を主軸に置いて新たに開発されたモデルだ。



背の低いSUVクーペ

ファストバック・スタイルの5ドアをベースに車高を上げ、オフローダーを彷彿させる装飾を加えることでSUV風に仕立てたモデル。なだらかに傾斜したルーフ・ラインから続くテール・ゲートにかけての造形は背の低いSUVクーペのようだ。最低地上高はやや高めの189mmとなっている。

ボディ・サイズは全長4687×全幅1848×全高1478mm、ホイールベースは2787mm。プジョー508と同じDセグメントとして通用する寸法だが、プジョーはこのクルマをプジョー308や3008が属するCセグメントのトップエンド・モデルだという。プラットフォームは308や508などが用いている「EMP2」で、1.6リッターのプラグイン・ハイブリッド(PHEV)を2機種と1.2リッター・ターボ1機種を設定する。



プジョー最新のデザイン言語をまとう

フロントまわりはプジョー最新世代らしい顔付きだが、新型308からさらにブラッシュアップが図られている。薄くスクエアなヘッドライトと縦長のデイタイム・ライトにとボディ同色のグリル、新しい意匠のエンブレが配されている。彫刻的な造形長いボンネットと高い峰を持つフェンダーは、308に通じるデザインだ。

ボディ・サイドは、クッキリとしたプレスラインが複雑に入り組み、前後フェンダーやボディ下部にはSUV的なクラッディングが装着される。リアは最新プジョーらしい爪痕のような3本線の入ったテールライトを備えるが、ダックテール風のテール・エンドや下部がブラックアウトされたボリュームのあるバンパーが力強さを演出している。



「猫耳」とは?

さらにリアまわりで特徴的なのが、トヨタbZ4Xやスバル・ソルテラにも類似した手法が見られる左右のみ張り出したルーフ・スポイラー。このテール・エンドへの気流を最適化するアイテムに「キャットイヤー」=「猫耳」と名付けたプジョーのセンスに拍手を送りたい。

凝った造形はホイールにも見られる。一般的な円の中心から円周に向かって伸びるスポーク・タイプではなく、円周上の2点を結ぶ弦を組み合わせた特徴的なデザインとなっている。なおタイヤ・サイズは、PHEVが205/55R19または245/40R20、ガソリン車が215/65R17または205/55R19。さほどロープロではないクロスオーバーらしいチョイスだ。



2種類のPHEVとガソリンの3タイプ

PHEVのパワートレインは「180」と「225」と呼ばれる仕様の2種類で、モーターは共通だが、1.6リッター直4ターボの出力が、「180」は150ps、「225」が180psといったように異なる。最大トルクはどちらも250Nm。これに110ps/320Nmのモーターを組み合わせることで、システム総合出力は「180」が180ps、「225」が225ps。つまりモデル名はシステム総合出力に由来するというわけだ。また、1.2リッター直3ターボ車は130ps/230Nmを発生。PHEV、ガソリンを問わずすべて8段ATを持つ前輪駆動となる。

室内は、お馴染みになったプジョー独自の「iコックピット」を採用。新型308との共通点がはっきりと見出せるが、308SWよりさらに60mm近く長いホイールベースにより、後席ニールームは188mmに達する。荷室容量はフロア下の収納スペースを含めて536〜1611リッター。308SWのハイブリッド・モデル(548〜1574リッター)と比べて同等の大きさを持つ。助手席のシート・バックを倒せば、1890mmの長尺物も収容可能だ。

発売時期は2023年初頭を予定。当初はフランス・ミュルーズ工場から送り出されるが、中国・成都工場での生産も計画しているという。



文=関 耕一郎

(ENGINE WEBオリジナル)

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