2022.03.17

CARS

無音で地上すれすれを滑空しているようなフィーリング これぞシトロエン!  新しいC4の電気自動車版E-C4に試乗して驚いた!!

新型C4は、プジョー208などと同じプラットフォーム「CMP」を使う。なので208同様、電気自動車版がE-C4として用意されたのは自然な成り行きだろう。内外装はブルーのアクセントがいくつか入るぐらいでエンジン車との差は小さい。ほかのシトロエンにも採用が進むアドバンスト・コンフォート・シートは、座った瞬間は革の張りを感じたが、走り出すと優しさが伝わってくる。エンジン車とほぼ同じ室内空間を確保しているのも素晴らしい。

注目は独創的な乗り味

車重は1630kgに達するが、26.5kgmの最大トルクをわずか300rpmから発生するので、加速はエコ・モードでも十分。レスポンスが鋭くなるスポーツ・モードでは、やや遅れてリアが沈み込む、かつてのCXあたりを思わせるしぐさを演じる。



ハイドロニューマチックの思想を受け継ぐ「プログレッシブ・ハイドローリック・クッション」は街中ではエンジン車のC4より重厚な感触。でも速度を上げていくと、入力後の収束をゆったりこなすようになってくる。ほぼ無音で地上すれすれを滑空しているようなフィーリングは、エンジン車以上に独創的だ。ハンドリングはクイックな身のこなしのエンジン車に似るものの、その後はほかのシトロエンの前輪主導でリアがついてくる挙動とは違い、同じ前輪駆動ながら車体中心を軸にしてくるっと旋回する。

走り味をエンジン車に近づけることもできたはず。そうしなかったのはシトロエンだからだと思う。いつも斬新な発想で僕たちを驚かせてくれた伝統の最新作が、E-C4なのだと感じた。

文=森口将之 写真=望月浩彦



(ENGINE2022年4月号)

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