2022.08.04

WATCHES

「古の技法」にチャレンジした冒険者モンブランの新作

かつての「ジュネーブSIHH」と「バーゼルワールド」の主役級ブランドが一堂に会し、今年はリアルで開催された世界最大の時計フェア「ウォッチズ&ワンダーズ ジュネーブ2022」。「ワンダーズ」という言葉に象徴されるように、数々の時計には新たな発見と驚きがいっぱいだ。

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シリーズ第7弾は「モンブラン」。時計ジャーナリストの菅原 茂氏とENGINE編集部時計担当の前田清輝がその魅力を解説する。

カラーダイアルだって冒険者の精神で

カラーダイアルの巧者にまたひとつ見事なワザが加わった。今年の新作では、「グラッテボワゼ」と呼ばれる、ほとんど忘れ去られた古の技法にチャレンジ。色の中に模様が複雑に混じり、奥行きと輝きを演出するこの技法によるダイアルは、エベレスト登山のために時計内部の酸素を取り除いた最新作「モンブラン 1858 ジオスフェール クロノグラフ ゼロ オキシジェン」や、ISO6425規格に準拠するモンブラン初の本格ダイバーズウォッチ「モンブラン 1858アイスシー オーマティック デイト」に採用され、フェイスにユニークな個性をもたらした。

モンブラン 1858 ジオスフェール クロノグラフ ゼロ オキシジェン リミテッドエディション290
過酷な高所登山に耐える時計として開発された新作は、回転する両半球のモチーフによる独特のワールドタイム機能とクロノグラフを融合しただけでなく、急激な気温変化による曇りや部品の酸化を防ぐためにケース内の酸素をゼロにするという初の仕組みを導入。実際に英国人登山家ニルマル・プルジャがこの時計を装着してエベレストの無酸素登山に挑戦する。自動巻き。チタン、ケース直径44mm、10気圧防水。世界限定290本。103万6200円。


モンブラン 1858 アイスシー オートマティック デイト

ISO6425規格に準拠する300m防水のダイバーズウォッチは、グラッテボワゼ技法で氷を表現したカラーダイアルが特徴的。また、ダイアルとベゼルにセラミックを用い、ケースバックに氷山とダイバーの立体モチーフを刻む。自動巻き。ステンレススティール、ケース直径41mm。グリーン、ブルー、ブラックの3種類、各38万7200円。

菅原 今年の「モンブラン 1858」は、登山用時計やダイバーズ以外にもGMTウォッチや、ミネルバ愛好家垂涎のモノプッシャークロノグラフなど、新作が充実している。中でも興味を引いたのは、ここでは取り上げていないGMTウォッチ。通常の24時間針を使わずに第二時間帯が瞬時に目視できる、シンプルでスマートな表示機能は秀逸だ。

前田 ブランド初となるダイバーズモデルで目を引く鉱石やその結晶のように見えるダイアル塗装は、「グラッテボワゼ」と呼ばれる昔ながらの技法によるものだとか。ミニマルなデザインに氷河をイメージした神秘的なダイアル。そして、同色のセラミックベゼルの組み合わせは、この時計がダイバーズであることを忘れさせる優雅さがある。

文=菅原 茂/前田清輝(ENGINE編集部)

(ENGINE2022年7月号)
※価格は雑誌掲載時のものです。

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