2022.09.22

CARS

フェラーリ、ブガッティを超える99台の少量生産のスーパースポーツがパガーニから誕生

イタリアの少量生産スーパースポーツカー・メーカーのパガーニがニューモデルの「ユートピア」を発表した。コードネームC8こと「ゾンダ」、C9の「ウアイラ」に続くC10のユートピアはパガーニ3世代目のスーパースポーツカーだ。

時代の波には乗らない

開発期間は6年以上。4000枚を超えるスケッチをもとに、10体のスケール・モデルと風洞実験モデルをひとつ、8台のプロトタイプが製作されたという。そこから生まれたユートピアは電動アシストを持たないV12エンジンと、MTもしくはクラッチレスMTを積む、時代に逆行するかのごときプリミティブなメカニズムの持ち主だ。



シンプル・イズ・ベスト

スタイリングはゾンタやウアイラをさらにシンプルにしたようなルックスで、外観のパーツ点数は従来比で20%削減。流麗な曲線美を感じさせるが、スポイラーなどの空力付加物を後付けしなくても十分なダウンフォースを発揮しつつ、空気抵抗を抑えるような設計も組み込まれているという。ドア・ミラーは翼断面形状のステーに吊り下げられた形状で、風洞実験で空力的に最適化されたデザインを持つ。

リアはフローティング・マウントのテールライトと、パガーニではおなじみのセンター4本出しエグゾーストパイプが目を引く。チタンを用いた排気システムは全体で約6kgという軽量設計。リア・ウインドウは2段構えで、ミドシップ・カーでは劣悪になりがちな後方視界を改善してくれそうだ。リア・ウイングは左右独立調整式。前後の空力バランスは速度域を問わず46:54を保つように設定されている。

インテリアは運転席前の情報ディスプレイを除く計器類のすべては視認性に優れるアナログで、操作系は機械式のスイッチを使用。リンクの構造が目に見えるシフト・レバーと、7段+リバースのゲートも含め、その造形は芸術的だ。内外装とも目指したのはレトロでもモダンでもなく、タイムレスなデザインだという。



メルセデスAMG製のV12を搭載

開発にほぼ2年を要したバンク角60度の5980ccツインターボはメルセデスAMGによる専用設計ユニットで、単体重量は262kg。外気温18℃で計測された最高出力は864ps/6000rpm、最大トルクは1100Nm/2800-5900rpmを発生しつつ、アメリカ・カリフォルニアの厳しい排気規制もクリアするほどのクリーンさも兼ね備える。トランスミッションはXトラック製の7段で、電子制御の機械式ディファレンシャルを介して後輪を駆動する。電動パワートレインやデュアルクラッチ式自動MT(DCT)の採用を避けたのは重量や重心高を考慮してのことだ。

シャシーは素材強度が38%向上したカーボンとチタンの複合材を用いたモノコック・フレームの前後に、クロモリ鋼のサブフレームを接続する。車両重量は1280kgで、ねじり剛性はウアイラのロードカーより10.5%高まった。50回以上のクラッシュテストを経て、安全性も確保。サスペンションは航空宇宙産業で用いられる鍛造アルミを用いたダブルウィッシュボーン式で、コイルスプリングと電子制御ダンパーを装備。サーキット専用モデルであるウアイラRの技術も応用しながら、公道上で普段使いできるよう設計されている。



価格は未発表

ブレーキはブレンボ製で、カーボンセラミック・ディスクと軽量キャリパーを使用。フロントが410×38mm+6ポット、リアが390×34mm+4ポット。ホイールはAPP製の鍛造アルミで、外周のタービン風の造形はブレーキの熱気を抜くカーボン製の導風版だ。フロント265/35R21、リア325/30R22のピレリPゼロ・コルサを履くが、ウインター・タイヤのピレリ・ソットゼロも用意される。

このクーペ・ボディのユートピアは99台が限定生産される。価格は公表されていないが、すでにすべて売約済みとのことだ。



文=関 耕一郎

(ENGINE WEBオリジナル)

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