2022.12.17

CARS

「まるで街中がピットロード!」ポルシェ911GT3の4リッター自然吸気エンジンを押し込んだ718ケイマンGT4RSは、どこがそんなに凄いのか?【男なら一度はこんなスポーツカーに乗ってみたい!その1】

ポルシェ718ケイマンGT4RS

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ギリギリな感じ

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渡辺 これ、サーキットで乗った人いますか? 本当にキワキワな感じがした。ギリギリのギリな感じ。911GT3やGT3RSは、まだクルマに乗せられている安心感があるけれど、これは全開にすると本当にクルマのキワのキワを使って走っている感じで、注意しないとヤバイぞと思った。

村上 レーシングカーとの境界のギリギリのところにいるスポーツカーだよね。遮音とかないし。

渡辺 わざと聞かせているんでしょうね。

島下 サイド・ウィンドウの後端をエア・ダクトに変えている。420psのGT4に対してGT4RSは500psだから、後輪前のダクトだけでは空気が足りないんでしょうね。あの窓を潰したエア・ダクトの吸気音がうるさい。さらにGT3よりエンジンが近い。GT3と比べてもこんなに違うんだと思った。



荒井 体脂肪率がめちゃくちゃ低い引き締まった感じのクルマだった。私の運転レベルだと911GT3は余裕があり過ぎで、このクルマのポテンシャルを何%使っているんだろう? なんてことを考えるけれど、これはそんなことを考える余裕もない。いきなり真剣勝負という感じで発汗量がすごい。運転がまさにスポーツだった。

島下 ケイマンというクルマの限界にも近い。このシャシーでこれ以上無理というところにいる。だってGTS4.0だって結構スパルタンですよ。

渡辺 そう。GT4はタイヤが太くなる分、なんとかなるなあと思っていたんだけど、そこにこのエンジンが乗ったんだから、ちゃんと良識をもって運転しないと大変だという気がした。

村上 リア・サスペンションはストラットだから、マルチリンクのGT3みたいなわけにはいかない。確かに718シリーズの限界性能ギリギリまで引き出しているかもしれない。



渡辺 やりきった感があります。

島下 箱根ターンパイクよりコーナーがきついワインディング・ロードで乗ったんですけど、無敵でした。コーナリング・スピードがこれまで感じたことのない速さなんです。本当にすごかった。

荒井 グラブボックスにはヴァイザッハのテストコースのバッヂが!

島下 そうそう。ヴァイザッハってタイトなんですよ。

村上 そうでありながら、ちゃんと公道を走れる仕様になっているというのがすごい。単純にレーシングカーにするならもっと軽く出来ただろうし。公道を走れるようにするには、別の難しさがあると思う。そこがポルシェの素晴らしいところだよね。



RSは別モノ!

渡辺 911GT3との作り分けもすごく上手だと思った。

島下 GT4RSはパドル操作のレスポンスがすごい。

村上 レスポンスが全然違ったね。ノーマル・モードにしていても、切れ味が強烈だった。

渡辺 トランスミッションのマネージメントが911GT3と明らかに違う。RSは別モノですよというのを、隅々までいきわたらせている。

荒井 9000rpmまで回るエンジンも素晴らしいよね。やっぱりエンジンは自然吸気だなあって思った。

渡辺 内燃終活の候補に入れるべきエンジンですよね。とはいえ、GT4RSは目的意識が必要です。

島下 街中はピットロードを走っているみたいですからね(笑)。でも、そのぐらい特化しているから面白い。ミニ・サーキットも楽しい。ギア比はショートだし、筑波1000なんか最高ですよ。

村上 GT4RSのオーナーになられた方は是非エンジン・ドライビング・レッスンへ。

◆続きは【続篇その2】ポルシェ911GT3の4リッター・フラット6がNAエンジンのひとつの頂点にいるのは間違いない!

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語る人=島下泰久+渡辺敏史+村上 政(ENGINE編集長)+荒井寿彦(ENGINE編集部/まとめ) 写真=茂呂幸正



■ポルシェ718ケイマンGT4RS
駆動方式 ミドシップ縦置きエンジン後輪駆動
全長×全幅×全高 4456×1801×1260mm
ホイールベース 2484mm
車両重量 1490kg(車検証)
エンジン 直噴水平対向6気筒DOHC
排気量 3996cc
最高出力 500ps/8400rpm
最大トルク 450Nm/6750rpm
変速機 7段デュアルクラッチ式自動MT
サスペンション 前 ダブルウィッシュボーン/コイル
サスペンション 後 マクファーソン・ストラット/コイル
ブレーキ 前&後 通気冷却式ディスク
タイヤ 前/後 245/35ZR20 295/30ZR20
車両本体価格 1843万円(試乗車2686万円)

(ENGINE2022年12月号)

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