2022.12.08

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メカ好きは必見! トゥールビヨンの元祖「ブレゲ」の最新作!!【時計選びの新基準:自分だけのマスターピースを探せ!】

時計選びの基準が新たな局面に入ってきた。

これまでは使用するシーンを意識したルール的なものが存在したが、今は自身の”個性”や時計の持つ”物語”をより重視するように。性別やスタイルを超えたデザインやサイズ、また、環境に配慮した素材や従来の常識を覆す性能、異ジャンルとのコラボレーションなど、新たな取り組みが増えてきている。

そんな”これから”の時計選びの楽しみ方を「ネオ・ヴィンテージ」「ハイパースペック」という要素に注目し、「ブレゲ」渾身のモデルの魅力を通して紹介する。

ワン&オンリーの逸品

ブレゲほどオーセンティック(正真正銘)という言葉が似合うブランドはないだろう。なぜなら、創業者アブラアン-ルイ・ブレゲが活躍した時代の機構や洗練されたデザイン、あるいは装飾技法が現代の大半のモデルに受け継がれ、それによって自己完結する唯一無二の世界を見事に築き上げているからだ。

2005年の誕生以来、独自のモデルを展開する「トラディション」もその代表。オフセンターダイアルを配し、時計の表側にムーブメントを露わに見せる異色のデザインは、アブラアン-ルイ・ブレゲが18世紀末に考案した「スースクリプション」や「モントレ・ア・タクト」と呼ばれる懐中時計に用いられた特殊設計のムーブメントから想を得ている。我々がこの「トラディション」で目にするのは、2世紀以上も前に作られたその懐中時計のケースバックを開けた瞬間の感動的な眺めなのだ。現代のブレゲが歴史的なブレゲを再解釈するという手法は一種のネオ・ヴィンテージに他ならないし、単なるヴィンテージ・スタイルに飽き足らない時計好きにとってはまたとない魅力だろう。

そうしたヴィンテージの意匠と革新的な先端技術という両面を巧みに融合するところがまさにブレゲの真骨頂である。たとえばこれら2つの最新作。ひとつは、創業者ブレゲが発明し特許を取得したトゥールビヨンと、かつてのトゥールビヨン懐中時計にも用いられていたフュゼ・チェーン・トランスミッション(鎖引き伝達機構)を組み込んだ「トラディション トゥールビヨン・フュゼ」だ。重力による誤差の解消のみならず、トゥールビヨンに供給される動力を一定に保ち、精度の安定を図るこの鎖引き伝達機構のコンスタント・フォース機能はどちらも歴史的なものだが、複雑で精巧な技術が求められる両者を組み込んだハイパースペック・モデルは極めて珍しく、希少価値は絶大だ。これまた今や数多く存在するトゥールビヨンでは満足できないメカ好きには見逃せないだろう。

トラディション トゥールビヨン・フュゼ
およそ2世紀前、アブラアン-ルイ・ブレゲ時代の歴史的ムーブメントの構造をベースにして、トゥールビヨンおよび鎖引き伝達機構という複雑機構を先端技術でアレンジ。その全貌をダイアル側から見せるデザインが斬新極まりない。最新モデルは、オフセンターダイアル、大型トゥールビヨン、フュゼの鎖をすべてブルーに彩る。手巻き。プラチナ、ケース直径41mm、3気圧防水。2607万円。

独自の日付表示やローターも伝統と革新を反映

クリエイティブな精神をもって時計を作るというブレゲの「伝統」を見事に体現するもうひとつの最新作は、大胆な日付表示が印象的な「トラディション レトログラード デイト 7597」である。特徴は、日付を反復表示するレトログラードデイト機能。これまでの「トラディション」に日付表示付きのモデルが存在しなかったことから追加されることになった機能なのだが、ここにも創意が凝らされている。それは、特徴的なムーブメントを覆うことがないように3時から9時位置にかけての約180度を反復移動するレトログラード針である。中央の大型香箱から出現するこのブルーの日付針
は、左右に並ぶ2番車やテンプとの重なりを避けるために巧妙に曲げられ、独特の形状もまたムーブメントの立体構造をさらに強調している。

2つともムーブメントはデザイン同様に通常とはまったく異なる特殊な構造になっており、ダイアルやディテールに施されたブルーの彩りもまさにブランドのカラー。どこをとっても100%のブレゲ、という正真正銘の逸品なのだ。



トラディション レトログラード デイト 7597
18世紀末の歴史的ムーブメント構造を再現する「トラディション」に日付表示を追加。日付がムーブメントの眺めを邪魔しないように工夫されたレトログラード針が印象的だ。このモデルもダイアルと日付表示をブランドのブルーで彩る。またケースバックから見える錨型のローターも創業者ブレゲが18世紀に考案した自動巻き機構から着想。自動巻き。ホワイトゴールド、ケース直径40mm、3気圧防水。531万3000円。

◆ブレゲの詳しい商品情報についてはコチラ!

問い合わせ=ブレゲ ブティック銀座 Tel.03-6254-7211

文=菅原 茂 写真=近藤正一

(ENGINE 2023年1月号)

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