2022.12.02

CARS

ボルボの最新フラッグシップSUV「EX90」は、車輪の上に乗った高度なコンピューター

ボルボが「V90」に替わる新たなフラッグシップ7座SUVとなる「EX90」を発表した。最先端のITコンポーネンツを採用した新世代電気自動車=バッテリーEV(BEV)だ。

グリル・レスでEV化をアピール

エクステリア「トールハンマー」と呼ばれるT字を横にしたようなヘッドライトやシンプルな造形のサイド・ビューやフォルムなどはV90から受け継ぎつつも、BEVらしいグリル・レスのフロント・デザインを採用するなど、新たな進化も見られる。インテリアもボルボの特徴である縦長のセンター・ディスプレー・スタイルを踏襲しつつも、よりスッキリとした意匠に変更されている。



双方向充電に対応

パワートレインは前後にそれぞれ1基ずつ計2基のモーターと111kWhのバッテリーを搭載。最高出力は517ps、最大トルクは910Nmを発生する。30分以内に10〜80%充電が完了可能で、一充電あたりの航続距離はWLTP値で最大600kmに達する。給電にも対応した双方向充電に必要な全ハードウェアを搭載した初のボルボでもあるという。ただし現時点でパワートレインとバッテリーは1タイプのみだが、発売時もしくはその後に別仕様のパワートレインが加わるかもしれない。

ランニング・ギアと並んで注力されたのが、ボルボが「車輪の上に乗った高度なコンピューター」と形容するほどの車載テクノロジーだ。安全システムとAIのために半導体や通信技術で名を馳せる「NVIDIA」や「クアルコム」のプラットフォームと自社開発のソフトウェアを採用している。メーター画面はシンプルだが、14.5インチのセンター画面とヘッドアップ・ディスプレイには先進的な3Dツールを用いたハイクオリティなグラフィックを投影する。



5Gで音楽のストリーミング再生にも対応

通信には5Gも利用可能で、ソフトウェアはスマートフォンなどのように定期的な無線アップデートを実施。音楽のストリーミング再生にも対応し、ヘッドレスト一体型スピーカーを採用する「バウワース&ウィルキンス」製25スピーカー・オーディオや、ボルボ初導入の「ドルビーアトモス」を駆使した臨場感あるサウンドを可能にする。

サステナビリティもさらに推進。スチールの約15%とアルミの約25%に再生材を使用。また、再生プラスチックとバイオベース材を48kg用いている。これは車両全体のプラスチック使用量の約15%に相当する。

生産は2023年からアメリカで開始し、その後は中国でも製造する計画だ。



文=関 耕一郎

(ENGINE WEBオリジナル)

無料メールマガジン会員に登録すると、
続きをお読みいただけます。

無料のメールマガジン会員に登録すると、
すべての記事が制限なく閲覧でき、記事の保存機能などがご利用いただけます。

いますぐ登録

タグ:

advertisement

PICK UP



RELATED

advertisement