2022.12.02

CARS

ビートル以来、久々にRRレイアウトのVWがEV専用モデルとして登場

フォルクスワーゲンが日本市場では初となる電気自動車専用モデル「ID.4」を発売した。

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「ID.」シリーズが遂に日本上陸

「ID.」シリーズはフォルクスワーゲンの電気自動車=バッテリーEV(BEV)専用シリーズで、2019年に発表されたBEV版ゴルフと言ってもいい「ID.3」を皮切りに、現在急速にそのラインアップを拡大している。



SUVタイプのバッテリーEV

残念ながらID.3の日本導入は見送られたが、今回、ID.シリーズの第2弾となるSUVタイプのID.4が日本市場へのBEV先導者として導入されることになった。

BEVらしい長いホイールベースと短い前後オーバーハングを持つボディは緩やかな曲線とシャープなラインで構成されるフォルムに、リアのエア・フローを効果的に断ち切るための大型ルーフ・スポイラーや立体的なテールライトを組み合わせる。前後ともライトはLED式で、上級グレードにはマトリックスタイプのヘッドライトとLEDストリップを複数配したテールライトを採用する。

ほぼフラットなアンダー・ボディとリア・ディフューザーの効果もあって、SUVとしては優秀な0.28という空気効力係数(Cd値)を達成している。ボディ・サイズは全長4585×全幅1850×全高1640mm、ホイールベースは2770mm。



工夫とウィットに溢れるインテリア

インテリアではデジタル・メーターのハウジングに取り付けられた回転式のシフト・セレクターが特徴的。アクセルに「再生」、ブレーキに「一時停止」といったオーディオ機器のアイコンをかたどったペダルは電気自動車らしさを演出している。フロント・ウインドウ下には車両状態などを光で知らせる「ID.ライト」が設置される。

室内空間はドライブトレインが省スペース化できるBEVの利点を活かし、1クラス上に相当するスペースを確保。荷室容量は543〜1575リッターでクラストップレベルを謳う。



BEV専用プラットフォームを採用

プラットフォームはEV専用でリア・モーター、リア駆動ベースの「MEB」を使用。現ラインアップでは2モーターの4WDの設定はなく、すべて後輪駆動となる。

バッテリーは強固なアルミハウジングに収められ、重大事故の際に電源が切れる保護回路が備わる。常に温度範囲を最適化する熱管理システムは出力向上と急速充電の所要時間短縮に寄与。バッテリー警告灯点灯状態から80%までのチャージは約40分で完了する。さらに長寿命化が図られ、8年もしくは16万km走行後でも70%以上の容量が保証されている。



「ライト」と「プロ」の2タイプ

導入時のラインナップは「ライト」と「プロ」の2タイプで、どちらも発売記念モデルの「ローンチエディション」となる。下位機種のライトは170ps/310Nmのモーターと52kWhのバッテリーを搭載し最大航続距離は388km。上位機種のプロは、204ps/310Nmのモーターと77kWhバッテリーで最大561km走行する。

全国246拠点の正規ディーラーのうち158店舗に90kW以上の急速充電器を順次設置。フォルクスワーゲンのEVユーザー専用の充電ネットワークを構築する。ここでは原則的に24時間・365日に亘り利用できる態勢を整える予定だ。

価格はライト・ローンチエディションが499.9万円、プロ・ローンチエディションが636.5万円となっている。



文=関 耕一郎

(ENGINE WEBオリジナル)

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