2023.02.11

LIFESTYLE

これはお城の石垣か、それともピラミッドか!? いったいなかはどうなってるの?「壁のどこかに石積みを」という施主の希望に、巨石建築で応えた建築家の独創性がすごい!

名古屋の住宅街に出現した巨石建造物!?

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デザインを完成させるもの

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この家が魅力的なのは、宇野さんの建築に、林さんが選んだアートやインテリアが上手く調和しているからだろう。相当の趣味人で、凝ったものを自分で買い求めている。ソファやダイニングセットは、宇野さんが職人に指示して製作したものに加え、同じ工房に林さんが追加で依頼した特注品も。さらに、旅先で求めた異国のラグやファブリックが、林邸をいっそう個性あるものにしている。

家を建てるまでは、家族とマンションで暮らしていた林さん。この素晴らしいインテリアを拝見すると、「どうしても自分の空間が欲しくて家をつくることにしました」と話すのも納得である。

さらにクルマ好きの林さんは、「クルマを手に入れるのは、家と同じで自分だけの空間が欲しいからでしょう」と続ける。そんな林さんの現在の愛車は、ホンダS2000(2009年製)。2000年に一度手に入れたが、生産が中止になるというので最終モデルに乗り換えた。それまでは、ドイツ車党が多い友人たちと被らないようにと、ランチアなどのイタリア車に乗ってきたが、日本製を応援したいうえ、オープンカーに乗りたかったので、信頼性が高いS2000を選んだ。

もっともクルマと違って、このピラミッド部分は何十年もメンテナンスの必要がないそうだ。もちろん林邸は、似た家など存在しない唯一無二の住宅である。この家に林さんは、本当に満足そうだ。そして最後に、「こうした家作りを許してくれた妻に、本当に感謝している」と呟いた。趣味の良い施主と創造的な建築家、そして腕の良い職人だけでは、このように図抜けたデザインの家は、けっして生まれてこないのである。

文=ジョー スズキ 写真=田村浩章



■建築家:宇野友明 1960年愛知県生まれ。神奈川大学卒業後、長谷部建築事務所勤務を経て独立。名古屋市を拠点に活動する。自著タイトルにある、『見たことのない普通のたてものを求めて』に作風の特徴がよく表れている。設計だけでなく、大工の棟梁のように施工まで自社で管理するスタイルになって20年。自然素材を多用した、ミニマルで美しい造形は、詩的情緒を感じさせるもの。人は家からあまり外を見ないとの考えから、外部を向いた窓が少ないのも特徴。

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(ENGINE2023年1月号)

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