2023.02.02

CARS

驚くほどの静粛性の中で2100kgの車重を感じさせることなく加速する! アウディ重要モデル、新しいEVのQ4・e-トロンに試乗!!

アウディQ4 40e-トロン

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アウディ第三のEVはVW・ID.4とプラットフォームを共有するコンパクトSUV。EV拡大路線を歩むアウディとしては、かなり重要なモデルになるはずだ。モータージャーナリストの山崎元裕がリポートする。

リア・モーターのリア駆動、つまりRR!

市販モデルとして、2018年にSUVスタイルを持つ最初のバッテリーEV(BEV)のe-トロンを発売したアウディ。フロア下にBEVとしては搭載することが避けられない重量物のバッテリーを配しても、まだまだ実用的なキャビン・スペースが残り、さらに重心の低下といった副産物まで生み出すSUVはBEVの構造的なハンデを解消するには最高のボディ・スタイルだし、なにより今は世界的にSUVの人気は圧倒的。アウディが第三のBEVとしてQ4 40e-トロンにSUVを選択したのは当然の結果といっていいだろう。



Q4 40e-トロンに採用されたメカニズムで特筆するものといえば、まずVW&アウディ・グループがBEVのために専用設計した新型プラットフォームのMEBを使用していることだろう。これによってサイズ設定やパワートレイン(この場合は当然電気モーターが核となる)の搭載位置に自由度を持ち、今回のQ4 40e-トロンのボディ・サイズはもちろんQ3とQ5の間に設定されているが、実際に車内で感じる開放感はQ5より大きい。フロントにエンジンが不要となったことでキャビンをさらに前方に迫り出すことができた結果ともいえる。BEV化によってアウディは、さらに機能的なSUVを生み出したことも見逃せないのだ。



日本仕様のQ4 40e-トロンはすべてモーターをリアに搭載し後輪を駆動するRR形式。アウディのファンにとっては前輪側にもモーターを配したクワトロの存在がラインナップには欲しいところだが、専用のスポーツ・サスペンションと20インチのタイヤを装着するSラインなら、十分にスポーティな走りが楽しめる。路面のシチュエーションによっては、その専用サスペンションの硬さが気になる場面に、とくに市街地レベルの速度域では何回か出くわしたが、高速域ではその乗り心地もしなやかに落ち着きを見せてくる。

搭載されるモーターは最高出力が200ps、最大トルクでは310Nmの性能を発揮するもの。バッテリー容量は82kWhで、満充電からの走行は最大705km(JC08モード)が可能となる。スタートからの加速はとてもスムーズだ。とくにアクセル・ペダルを踏み込んだ瞬間の、微妙な動きに対する反応の正確さは特筆すべきもので、ここからさらに加速を続ければ、驚くほどの静粛性の中でQ4 40e-トロンは2100kgの車重を感じさせることなく車速を増していく。あえてこう表現するのならば、それは実に上品な走りだ。これからますますそのバリエーションを拡大してくるだろう、アウディのe-トロン・シリーズ。それはまさに期待のブランドだ。

文=山崎元裕



(ENGINE2023年2.3月号)

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