2023.01.15

CARS

ヤフオク7万円・走行約16万kmのシトロエン、ハンドル位置は右から左に変更できるのか!?【エンジン編集部員のシトロエン・エグザンティア(1996年型)長期リポート#13】

エンジン編集部員が隔週連載でお届けするシトロエン・エグザンティアの修理奮闘記(後ろに見える緑のエグザンティアがアクティバ)!

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ハンドル位置を変えられないか?

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実はこの一連の作業を行う少し前に、僕はカークラフトにある相談を持ちかけていた。右ハンドルのリポート車に左ハンドルのアクティバの内装と関連部品一式を移植し、ハンドル位置を変えられないかと考えたのだ。そうすれば懸案だったドライビング・ポジションもずっとよくなる! どうせダッシュボードも脱着するのだから、このチャンスを逃す手はないのでは? いっそ変速機もATからMTにできないか!?

かつてのアクティバのインテリア。今の姿はかなりの部品が取られてしまい、痛々しいのでこちらも入手時の写真を。

早速こうした作業を行ってもきちんと公道を走れるかどうか、品川の陸運局内にある自動車技術総合機構に出向いて尋ねてみた。すると「改造自動車」扱いになるけれど、ドナーのアクティバに関する資料を提出し、正しい手続きを取れば、リポート車のハンドル位置の変更は可能だという。問題は車検証の型式が「改」となり、任意保険に入りにくくなることと、車検と同時のタイミングで申請をしないと、車検の残期間がなくなってしまうことだ。

保険はたぶん、費用は上がるけどなんとかなるんじゃないか。車検はどうせ切れているし、すべて仕上がってから通せばいい。これは理想的なエグザンティアができるぞ、と思って大喜びでカークラフトに伝えたのだが、書類上はともかく、作業自体がそんな簡単な話ではなかった。リポート車とアクティバの違いを1つ1つ洗い出して行くのには膨大な手間がかかり、当然それはコストにストレートに反映する。

カークラフトの篠原大輔さんによれば、バルクヘッドの構造上、作業そのものは可能に見えるけれど、エンジン・ルームから室内へのワイヤーハーネス、エアコン・ユニットおよび空調系の配管、ステアリング・ギアボックスとパワー・ステアリング・シリンダーをはじめとする配管、ブレーキまわりなどなど、交換部品は膨大にある。

アクティバのような並行輸入車ではなく、リポート車と同じ正規輸入車で、同じ年式で同じグレードのV-SXの左ハンドルのドナーがあって、予算に糸目を付けなければさらにやりやすいだろうが、そのクルマに付いている部品の状態がいいかどうか知るすべはない……。せっかくの機会だが、用意していた200万円以上は予算を捻出できそうになく、今回は断念することにした。

なお、カークラフトでは過去、ダッシュボードの構造がシンプルな初代フィアット・パンダについてはハンドル位置のコンバート作業をしたことがあったという。CVTやATからMTのような変速機の換装も、パンダや初代ランチアY、フォルクスワーゲン・ゴルフIIなど1970、80年代の設計のシンプルなクルマは実施例があるそうだ。

エグザンティアは1992年12月の発表だから先日登場から丸30年を迎えたところだが、設計そのものは1980年代のクルマだ。それでもやはり初代パンダやゴルフIIより構造は複雑になっており、難易度はなかなか高いようである。

アクティバの5段MT。ストロークはやや長目。前方に見えるのは暗証番号を入力するセキュリティ・システム。

話がかなり脇道にそれてしまった。次回はダッシュボードの組み付けという、地味でとても手間のかかる作業の模様と、前回報告した不具合の細かな補修作業についてご報告する。

■CITROEN XANTIA V-SX シトロエン・エグザンティアV-SX
購入価格 7万円(板金を含む2022年4月時点までの整備の支払い総額は213万9326円)
導入時期 2021年6月
走行距離 15万9247km(購入時15万8970km)

文=上田純一郎(ENGINE編集部) 写真=岡村智明/カークラフト

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ヤフオク7万円25年オチのシトロエンの長期リポート連載!

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