2023.05.22

CARS

ヤフオク7万円・走行約16万kmのシトロエンのレストア・リポート なんと欠品パーツが意外なところで見つかった!【エンジン編集部員のシトロエン・エグザンティア(1996年型)長期リポート#19】

ENGINE編集部員のシトロエン・エグザンティアの長期リポート。

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ヤフー・オークションで7万円で落札したシトロエン・エグザンティアを、10カ月と200万円かけて修復したエンジン編集部員ウエダの自腹散財リポート。2021年5月から2022年3月にかけての整備はいよいよ佳境に。エンジン内部に続いて着手するのは、この時代のシトロエンならではの複雑な油圧回路と、悪名高きZF社製のオートマチック・トランスミッション……の予定だったのだが、その前にもたらされた朗報についてをリポートする。

前オーナー所有部品を追加購入

2021年10月末の肌寒くなってきたある日、今はシトロエンC5セダンに乗る、リポート車の前オーナーから連絡があった。なんでも引っ越しをするので荷物を片づけていたら、紛失したと思っていたエグザンティアの部品が大量に出てきたというのだ。

15インチのV-SXグレードでは標準装備だったアルミホイール。キャップは本来無地のシルバーのものが付くが、シトロエンのエンブレムのものに代えられていた。

その中には元々ヤフー・オークション終了時に一緒に譲り受けるはずだった純正の15インチ・アルミホイール4本や、4つのうち1つだけ欠品だったオリジナルのスモーク・タイプのテールランプ・ユニットもあった。

「これらを渡しますので、ついでにほかの部品も必要なら見に来ませんか」というお誘いを受けて、僕は早々に会う約束を取り付けた。すでにホイールは部品取り車のアクティバのものを装着する準備が進んでいたが、冬期のスタッドレス・タイヤ用にする手もある。

さっそく受け取りに行ってみると、ホイールは丁寧に梱包された状態で、リムにいくつか小さなガリ傷はあるものの、十分使える状態だった。テール・ランプもひび割れなどはなく、とても綺麗な状態だった。さらに前オーナーは、いくつもの段ボール箱に入った部品を見せてくれた。

箱の中にはパワートレインの各種マウント類や、ステンメッシュのブレーキ・ホースなどの新品部品に加えて、インストゥルメント・パネルに付く各種スイッチや、オートマチック・トランスミッションのセレクター基部パネル、左右Bピラー内側2カ所に付くルーム・ランプ、“CITROEN”と“Xantia”というリア・ハッチのエンブレム、後付けのリア・ウイング、メッキのモールなどなど、中古部品も山のようにあった。

取り急ぎすべてを預かり、自宅とリポート車の主治医のカークラフトで使えるかどうかを1つずつ検品した。残念ながら外装のリペイント、内装の補修を終え、エンジンのヘッド・オーバーホールのめどがついたタイミングだったので、すでに交換してしまったものも多かった。

その中から選んだのは、フューエル・リッドの折れやすい樹脂のフラップ、ゴム・マウント付きのごつく重いフロント・サスペンションのロア・アーム左右2本、リアのブレーキ・ローター2枚、ラゲッジ・トレーをリアハッチと連動して上下させるための紐などなど、主に新品部品たちだ。

中古部品の中にも掘り出し物があった。“2.0i”というフロント・ドアに付くエンブレムだ。リポート車にもともと付いていたこのエンブレムは、前オーナーによって“2.0HDi”エンブレムに代えられ、片側だけ欠品だった。これもほうぼう探したが、新品が出てこなかったものの1つだ。



カークラフトではわざわざ“2.0HDi”の“HD”部分を削り取り、“2.0i”に改造していたのだが、やはりこういう細かなところがオリジナルでないと、どうにも目立ってしまうもの。なんでもないところなのだけど、あるべきものがあるべきところにないと、途端に不自然になる。結局一度貼り付けた改造エンブレムをまた剥がし、当時の姿に戻すことにした。

所有している間にいろいろとモディファイはしたものの、オリジナルの部品を長い間保管し、今回また声をかけてくれた前オーナーには感謝しかない。結局彼からは、新品、中古部品をまとめて3万円で譲ってもらうことになった。また、修理が完成した暁には、リポート車の試乗もしてもらう約束もした。いったいどれくらい修理の前後で乗り味が変化したのか。オーナー目線のコメントを、ぜひ聞きたいと思っている。

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