「東京オートサロン2023」の「横浜ゴム」のブースで強烈なインパクトを放つ展示車があった。ADVANカラーに塗られたレースカー風の車両で、その名は「エアロアバンテ」。大手模型メーカーのタミヤが2015年に製作した実車サイズのミニ四駆である。
タミヤ伝説のラジコンから生まれる
「アバンテ」の源流は1988年に登場したタミヤのRCカー、いわゆるラジコンで、先進的な設計と希少性で伝説的存在となっている。同年に発売されたミニ四駆版の「アバンテJr.」は、新開発の「タイプ2シャシー」を初めて採用したモデルで、いまだにミニ四駆売り上げ台数のトップを譲らない。そんなファンの絶大な支持を誇るミニ四駆で、さまざまな派生モデルや復刻版も生まれている。

ミニ四駆を32倍
その系譜に連なるエアロアバンテは2012年にデビュー。ミニ四駆30周年記念モデルであり、新設された「ミニ四駆REV」シリーズの第1弾でもある。2015年にこの新世代アバンテを32分の1スケールというミニ四駆の設定から逆算して1分の1スケールで再現したのが、実車版エアロアバンテだ。
「フォルクスワーゲン・タイプ1」、すなわち「ビートル」がベースのバギーのメカニズムを土台にしており、1.6リッターのフラット4エンジンと4段MTをリアに積む。ちなみに元祖アバンテはポルシェ959のRCカーをもとに開発されたというから、水平対向リア・エンジンはある意味先祖返りと言えるのかもしれない。
限定のミニ四駆も登場
これを赤と黒のADVANカラーにお色直しし、ADVANスポーツV107の295/30ZR22 103Yを履かせたのが今回の展示車である。あわせて横浜ゴムのブースでは、ミニ四駆の「ADVANエアロアバンテリミテッド」を販売。シャシーは赤、ボディは黒の成形色で、タイヤにはYOKOHAMAとADVANのホワイトレターが入る限定品とあって、ネット上では発売直後から高額転売も見かけるアイテムとなっている。
個性的なカスタムカー並み居るオートサロンではあったが、かつてミニ四駆に胸熱だった世代なら、ほかが霞むほど刺さる展示だったに違いない。

文=関 耕一郎
(ENGINE WEBオリジナル)
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