2023.01.30

CARS

ホンダ・モバイルパワーパック稼働で、「充電」ではなく「交換」の時代がやってくるか?

ホンダは「東京オートサロン2023」の企画展「オートサロン・テック2023」で、「モバイル・パワー・パック」(MPP)を訴求する展示を行った。

交換型バッテリーで充電問題を解決

EVの実用性を大きく損ねているのが充電に時間がかかること。「乾電池みたいにバッテリーを簡単に交換できたら」というのは誰もが一度は思うところだろう。しかし、大きく重いバッテリーをフロアと一体化することで容量と強度や安全性を稼ぐ手法が主流となる4輪車の電気自動車=バッテリーEV(BEV)ではとても現実的ではない。しかし、電動スクーターのような超小型BEVの世界ではすでに交換型バッテリーの実用化が進んでいる。



インドネシアで実証研究を開始

ホンダは2018年にパナソニックなどとの合弁会社を設立し、インドネシアで着脱および可搬式バッテリーである「ホンダMPP」の実証研究を開始。当時世界3位の2輪市場を持ち大気汚染が深刻化していたインドネシアで、充電ステーションで交換できるバッテリーのシェアリング実験を行った。

2019年には川崎重工業、スズキ、ヤマハ発動機という2輪を持つメーカーとともに日本での普及に向けたコンソーシアム(共同事業体)を創設し、2021年に相互利用のためバッテリーと交換システムの標準化に合意した。そして2022年10月、東京・新宿で交換ステーションの国内1号機が稼働をスタートした。その周知と普及に向けて行われたのが今回の展示である。



レーシングカートも走らせられる

ブースには交換ステーションとMPPを使用する三輪スクーターが出展されたほか、「ホンダ・レーシング・サンクス・デイ2022」でF1ドライバーのマックス・フェルスタッペン選手と角田裕毅選手が走らせたMPPカートも展示。MPP活用の可能性が感じられる内容となっていた。

先に挙げたインドネシアでの実証実験のほかにも、インドの電動3輪タクシーですでに実用化されているMPP。通勤や集荷・配達など、走行するルートや範囲がある程度決まっている用途であれば、日本でも早期の普及は難しくないのではないだろうか。



文=関 耕一郎 写真=宮門秀行

(ENGINE WEBオリジナル)

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