2023.01.10

CARS

ソニーらしい、それともホンダっぽい? ソニーとホンダで開発するEVの試作車が登場

電気自動車(EV)の製造販売を行うためにホンダとソニーで立ち上げた合弁会社「ソニー・ホンダモビリティ」(SHM)が、米ラスベガスで開幕したデジタル関連の見本市である「CES2023」で、新ブランドと新型EVのプロトタイプを公開した。

ブランド名はアフィーラ

ブランド名はアフィーラ(AFEELA)。自動運転や運転支援などの自律性(Autonomy)、ARやVRを用いたエンタテインメントなど身体と時空間の拡張(Augmentation)、カスタマーやパートナー、クリエーターとのコミュニティを創生する協調と共生(Affinity)からなる3つのコンセプト=3Aから取った「A」で、SHMが考えるモビリティ体験の中心にある「感じる」=「Feel」を挟んだ造語だ。



ホンダ・アコードと同サイズ

このアフィーラの処女作となるプロトタイプはファストバック風のフォルムを持つ5人乗りの4ドア・セダン。全長4895×全幅1900×全高1460mmのボディ・サイズは全幅が40mmほど広い以外はほぼホンダ・アコードと同じサイズ。ただし、パワートレインをコンパクトにできるEVのメリットを活かし、ホイールベースはアコードよりも170mmも長い3000mmとなっている。駆動方式は4WDで、サスペンションはフロントがダブルウィッシュボーン式、リアがマルチリンク式。前245/40、後275/35の21インチタイヤを履く。

エクステリアは曲線を主体に無駄な装飾を排したシンプルなデザイン。ヘッドライトに挟まれたフロント・グリルに相当する部分には「メディアバー」と呼ばれるデバイスを装備。クルマが意思を持っているかのように光の変化でコミュニケーションを図るインターフェイスで、その活用法は今後さらなる可能性を模索していくとされている。



あらゆるところに液晶画面を装備

インテリアはダッシュボード全面にパノラミックス・クリーンを配置し、サイド・ミラーもカメラを用いたデジタル・モニターとなる。後席用にもフロント・シート背面にディスプレイを2面設置。ステアリング・ホイールは画面の視認性を高めるべくリムの上部をカットした、航空機の操縦桿を思わせる形状となる。

前後席の頭上を一体のガラス・ルーフで覆うことで開放感を演出。内装材には環境負荷の少ない素材や空気を浄化する機能性素材を用いている。



毎秒800兆回演算のECUで運転を支援

運転支援装置(ADAS)は、特定条件下での自動運転レベル3と、市街地等での運転支援レベル2+を目指し、車内外に45個のカメラとセンサー、さらに毎秒800兆回の演算が可能なECUを搭載。またメタバースなどのデジタル技術を活用し、リアルとバーチャルを融合した車内エンタテインメントの研究を進めている。これらにはパートナー企業となるクアルコム・テクノロジーズやエピックゲームズの協力を仰ぐ計画だ。

今回のプロトタイプをベースに開発されるSHM最初の量産車は2025年前半に先行受注を開始し、2026年の春に北米からデリバリーを開始する計画だという。



文=関 耕一郎

(ENGINE WEBオリジナル)

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