2023.02.01

CARS

ポルシェの始祖である「356」が現代に蘇る 誕生75周年を記念する「ビジョン357」を発表

ポルシェがブランド初のモデルとして製作された「356」の誕生75周年を記念するコンセプト・カー「ビジョン357」を発表した。

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356のスタートはミドシップだった

ポルシェAG=ポルシェ社の創始者であるフェルディナンド・ポルシェ氏とその長男であるフェリー・ポルシェ氏が1948年に製作した「356・No.1ロードスター」は、ポルシェ社として初めての量産モデルとなる「356」の始祖で、スポーツカー・ブランドとしてのポルシェのスタート地点となったモデルだ。ビジョン357はその356・No.1ロードスターへのオマージュである。なお、356・No.1ロードスターは1950年に量産化されたリア・エンジン・リア駆動(RR)の356とは異なるミドシップのスポーツカーだった。



ベースは718ケイマンGT4RS

ベース・モデルは、500psを発生する4.0リッター水平対向6気筒自然吸気エンジンを積む「718ケイマンGT4RS」。生産された地にちなんで「グミュント・ロードスター」とも呼ばれる356の初号機がミドシップだったことを思い出させるチョイスだ。しかし、ボディはオープンのロードスターではなく、RRとなった市販版356クーペを思わせる、湾曲したルーフ・ラインがリア・エンドへと続くクローズド・ボディとなっている。

前後ともライトと思しきものはボディ・パネルに溶け込んでいる。Aピラーはブラックアウトされ、フローティング形状となったルーフはリア・ウインドウまで一体化したパネルがはめ込まれている。前後ともホイールはディスク形状で、ホイール・ハウスは後端がえぐられ、タイヤ周辺の整流効果が見込まれるデザインだ。

伝統のスタイリングを近未来的に解釈したビジョン357は直接的に今後の市販車へつながるものではないようだ。しかし、ポルシェが今後も創業以来のデザイン要素をベースにしていこうという意志は強く表れている。なお、ポルシェはこのコンセプト・カーの発表を皮切りに、世界各地で75周年記念イベントの開催を企画しているという。



文=関 耕一郎

(ENGINE WEBオリジナル)

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