2023.03.03

CARS

まだ間に合う!? ベントレーも12気筒エンジンの終焉を発表 生産は2024年4月まで

ベントレーがフラッグシップ・エンジンのW型12気筒ユニットの生産を2024年4月をもって終了することを発表した。

VWのVRユニットが始祖

6.0リッターW12ツインターボの登場は、ベントレーがフォルクスワーゲン傘下の元で再スタートを切った2003年に登場。フォルクスワーゲンが開発した直列エンジンの隣り合うピストンをV型エンジンの様に左右にずらしコンパクトにすることで、多気筒エンジンを小型車にも搭載できるようにした「VR」型をベースに、6気筒のVRエンジン、いわゆる「VR6」を2つ組み合わせることで12気筒へと進化させた。



搭載性に優れる

W12はV12より24%短い全長を利して搭載性に優れるのが特徴。2015年にはベンテイガ発売に際して設計を一新し、クランクケースの強度を30%高めたほか、気筒休止や直噴とポート噴射を組み合わせた燃料噴射装置、ツインスクロールターボを採用し、現在に至る。デビューからの20年間で最高出力は37%、最大トルクは54%それぞれ向上している。

このエンジンはイングランド・クルーの本社にあるドリームファクトリーにおいて、1基あたり6.5時間を費やして手作業で組み立てられる。現世代ベントレーの象徴的なエンジンで、最終的には累計10万5000基を超えると見込まれる。しかし、2030年までに全ラインナップを電動化する計画の一環として、終焉を迎えることとなった。

W12終了後の製造ラインはハイブリッド用のV8とV6の生産拡充に当てられ、30名いる製造スタッフは再訓練を受けて配置転換される予定だ。新しいエンジンは2024年までに全車種へ設定されるハイブリッド・モデルに採用されるという。



W12の最終モデルはバトゥール

最終バージョンのW12はベントレーの特別モデルを手がけるマリナーが18台限定で生産する「バトゥール」に搭載される。最高出力は750ps/5500rpm、最大トルクは1000Nm/1750〜5000rpmを発生。なお、このバトゥールはすでに完売している。

そのほかのW12搭載モデルは12月に受注を終了。若干数ながら注文可能なのは、「コンチネンタルGT」と「フライングスパー」の「スピード」と「マリナー」、「ベンテイガ・スピード」で、いずれも659ps仕様となる。



文=関 耕一郎

(ENGINE WEBオリジナル)

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