2023.01.09

CARS

英国王室御用達の後席空間は必見! ベントレー・ベンテイガに新たに追加されたロングホイールベース仕様に試乗!!

ベントレー・ベンテイガEWB

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ベントレーの歴代モデルに用意されていたストレッチ・リムジン。その伝統を受け継いだ、ちょっと長いベンテイガにカナダで試乗した。モータージャーナリストの藤原よしおがリポートする。

ハイライトは後席!

2022年5月にベントレーから発表があった時、「そうか、その手があったか!」と思わず膝を打った。というのもベントレーの歴代フラッグシップには、ストレッチ・サルーン用のEWB(エクステンデッド・ホイールベース)が用意されるのが慣わしだったからだ。

運転席周りに変化はないが後席は別世界。特に写真のベントレー・エアラインシート・スペシフィケーションの快適性は別格。

ベンテイガEWBはV8のホイールベースを180mm延長し、リアの居住空間を拡大したストレッチ・バージョンだ。その割に間伸びして見えないのは、リア・ドアのパワーラインを前進させたり、リア・クォーターウインドウやルーフラインなどの形状を変えることで全体のバランスを図っているからだと、デザイン責任者のクリスピン・マーシュフィールドは教えてくれた。

このクルマのハイライトというべき後席には、標準の4+1シートに加え、4シート、5シートと3種類のシート・レイアウトが用意される。いずれもシートにリクライニング&マッサージ機能が備わるうえ、足元、頭上ともにフライングスパーを凌ぐスペースを確保しているのだが、中でも素晴らしいのがオプションで用意されるベントレー・エアラインシート・スペシフィケーションである。

ベンテイガEWB(ボディカラー:Camel)

座っている人の温度、湿度を感知して自動でヒーターもしくはベンチレーションを作動するシート・オートクライメートや、シート形状を少しずつ変化させて体にかかる圧力を分散させ、長時間のドライブでも疲れさせないポスチュラルアジャストを備えたシートは、最大40度のリクライニングが可能で、VIPモードをセレクト(助手席後ろの席のみ)すると、助手席が一番前まで移動し、足を完全に投げ出した状態で座ることができる。加えて車内の遮音が大きく改善されているのと、フロアの微振動などストレッチ化による弊害がまったくないこともあって、まるでファーストクラスにでも乗っているかのような快適な移動空間を味わえるのである。

ベンテイガEWB(ボディカラー:Dove Grey)

さらにベンテイガEWBがすごいのは、ステアリングを握っても44kgほど増加した車重や、180mm伸びた車体の影響を感じるどころか、スタンダードのV8とまったく変わらない……いや、むしろ場合によっては優れたドライバビリティを味わえることだ。

その秘訣は標準装備の48Vのベントレー・ダイナミック・ライドとベンテイガに初採用されたエレクトロニック・オールホイールステアリングにある。今回はカナダ・バンクーバー郊外のワインディングと高速道路が試乗会場だったのだが、そのロードホールディング性と癖がなくナチュラルなハンドリングは見事の一言。しかもロング・ホイールベースゆえの高速での安定感と乗り心地はミュルザンヌやフライングスパーにも劣らないものだった。

研究開発部門のマティアス・レーブはEWBについて「できればベンテイガ全体の50%のシェアにしたい」というが、それはあながち誇張した話ではない。無論、スピードやハイブリッドもいいのだが、従来のドライバーズカーとしての資質と、フラッグシップとしての華やかさを兼ね備えたEWBこそは、ベントレーらしさを存分に発揮できる、ベンテイガの新たな『生きる道』だと思う。

文=藤原よしお 写真=ベントレー

ベンテイガEWB(ボディカラー:Marlin)

(ENGINE2022年12月号)

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