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2023.03.17

CARS

これが高級セダンを再定義する「BMW i7」に試乗したジャーナリストの生の声だ！　「このとろけるような乗り味はいったい何だ？」　驚くのは8K超巨大モニターだけじゃない！

ENGINE編集部

BMW i7 xドライブ60

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2023年の注目の輸入車38台を一同に集めたエンジン大試乗会に参加したモータージャーナリスト40人が注目するクルマ！　全長約5.4m、車量は2.7トンの堂々たるサルーンのBMW i7。EVはどれも同じ、というジャーナリストたちが行天したその乗り味とは？　清水草一さん、小沢コージさん、竹岡圭さんの3人が思わず叫んだ！

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こんなことが許されていいのか！

EVはどれに乗っても大差ない。正直、そういう思いもあった。しかしi7は確かに違う。そうか、モーター駆動はハイエンド・セダンとこれほど相性がよかったのか。これほど高級感に拍車をかけてくれるのか。まず乗り心地で予断を裏切ってくれる。EVはどれもこれも似たような低重心でロールは極小で、なぜかサスペンションがあまりストロークしない……という予断があったが、このとろけるような乗り味は何？　「ふわふわ」と言ってもいい。こんなに乗り味がソフトなEVは初めて！　ふわふわだけど徐々に歯応えが増す食感がイイ。もちろん駆動系は超絶滑らか。V12だってモーターのスムーズさには膝を屈するしかない。超絶トルクによる爆発的な加速は、いかつい顔に相応しかろう。とどめは後席のエンターテインメント・エクスペリメントだ。8K対応の31インチ・タッチ・スクリーン式ディスプレイ「BMWシアター・スクリーン」は、まさにプライベート・シアターだった！　こんなことが許されるのか！　まさかの大画面祭りに脱帽。（清水草一）



これは“セダンそのもの”の再定義だ！

今や高級車でEVは全然珍しくない。どころかプレミアム・ブランドの試乗会に行ったら「またEVですか」ってことのが多い。で、今回国内で初めて乗ったi7も最初はまたEVか……と思ったのに驚いた。これ、新しいEVというより、新しいセダン像を追究しているのだ。全長約5.4mとやたらデカく、車量はほぼ2.7トンで、前後輪にそれぞれ1個ずつ電気モーターを備え、システム出力は544ps。駆動方式はフルタイム4WDで、荷重変化に瞬時に応じてトルク・バランスを最適化する。そういう意味ではまさに超ハイテク。しかしプラットフォームは基本7シリーズと同じで、LEDが光るキドニー・グリルもほぼ同じ。ベタな高級セダンとは違う2トーン・インテリアも14.9インチのカーブド・ディスプレイ、リア席の8K超大型31.3インチ・モニターもi7専用じゃない。乗った時の完璧にコントロールされたトルク感こそ電動車ならではだが、結構7シリーズにも似てる。i7は単なる高級EVじゃない。電動化の波に乗り7シリーズで高級セダンを再定義しようとしているのだ。その姿勢に1番シビれてしまうのです私は。（小沢コージ）



クルマと普通に話ができる！　未来を垣間見ました！！

ドア・ノブのところに位置するスイッチをポンと押して開けて、また押して閉めてを繰り返し「スイング式ドアも自動ドアの時代が来ちゃったか！」なんてひとしきり感動した後、運転席に乗り込んでドラポジを合わせたところ「うわっ！　なんだこれ？」。後ろがまったく見えないことに気づき、助けを呼びにいくというひと幕があった次第です（笑）。なんと後席には、まるでドライビング・イン・シアター並み？！　のリア・モニターが鎮座しておりました。ところが運転中に「OK BMW。ドライビング・モードは何があるの？」……なるほど。そしたら「リラックスにして」なんて話しかけたところ、リアとルーフのシェードがサーッと閉まりまして「後席用のリラックス・モードかいっ！」と突っ込みを入れつつ、またもや後方視界を遮られ……。「リアのシェード開けて」と話しかけることで、事なきを得た二幕目が。しかし、もはや普通に会話できるレベルの高さに感動でした（笑）。運転も楽しめるショーファー・カーのレベルは、恐ろしく向上。ちょっと未来を垣間見た気が致します。（竹岡圭）

写真＝神村 聖／郡 大二郎／望月浩彦

前190kW、後230kWを発揮する2つのモーターを搭載し4輪を駆動する。電池容量は105.7kWhで一充電走行距離は650km（WLTCモード）。全長×全幅×全高＝5390×1950×1545mm。ホイールベース＝3215mm。車重＝2690kg。車両価格＝1670万円。

（ENGINE2023年4月号）

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