2023年の注目の輸入車38台を一同に集めたエンジン大試乗会に参加したモータージャーナリスト40人が注目するクルマ! 軽自動車のエンジンを積んだケータハム・セブンは乗ったら最後、あまりの楽しさにニヤケっ放しのジャーナリストが続出した。大井貴之さん、松田秀士さん、桐畑恒治さんの3人が思わず叫んだ!
記録的な寒波なのにフロント・スクリーンも無し(笑)
日本列島が記録的な寒波に襲われている真っ最中、フロント・スクリーンも無いケータハムに試乗するという粋な? ドライブを経験。このクルマを走らせるならフルフェイス・ヘルメットが不可欠です。ナンバー付きで車重440kg(車検証重量は450kg)。アップデートされた658ccのターボ・エンジンは、初代160に対しカタログでは5psアップと大きな差は無いが、低回転から過給が立ち上がり断然速い! 箱根ターンパイクの急勾配を5速ギヤに入れっぱなしで上っていけるトルクがある。新たに開発されたクワイフのLSDの威力も抜群で、155/65R14でスポーツカーのハンドリングを味わうことが出来る。特設コースではブレーキングでドリフト姿勢に持ち込み、アクセルでそのアングルを操ることが出来る。ドリフトしまくって遊んだとしてもタイヤ代は1本3000円で選り取り見取り。スポーツ・ドライビングを楽しむだけなら別だが、誰か助手席に乗せて季節を感じながらドライブを楽しみたいと考えるなら、フロント・スクリーンとサイドのドアの装着をお勧めします。(大井貴之)
コーナリングで巻き上がった砂が飛んでくる!
レーシング・シューズに履き替えレーシング・グローブを着ける。そしてヘルメットを被り、まるでサーキットのコースへピットアウトするような気持ちで走り出した。いわゆるフロントウィンドウはなくフェアリングが装着されている。風は意外に適度なものだが操舵角が増えると砂などが巻き上がって飛んでくる。F3000やインディ・カーもそうだった。だけどセブンの構成パーツを聴いて驚かされる。エンジンはスズキ・ジムニーRA06インタークーラーターボ(658cc)で85ps/116Nm。トランスミッション、リヤホーシング&アクスル(クェイズLSD内臓)、ホイール&ナット、リア・ドラム・ブレーキはスズキ・エブリーのものを流用しているのだ。車重は440kgなのでパワー・ウェイト・レシオは193ps/t!いや、軽いってとんでもない。0-100km /h加速は6.9秒。しかし実際にはジムニーのロー・プレッシャー・ターボのおかげでダッシュ力が素晴らしい。1470mmという超幅狭の車体はフットワークも素晴らしく、リヤがスライドしてもカウンター・ステアー一発で収束。楽しすぎる。(松田秀士)
体の芯から温まりたい人は是非乗るべき!
真冬の朝イチの試乗が「セブン」とは拷問か!? ヒーターくらいは付いているだろうと思っていたが、甘かった。フロント・ウィンドウもなく、レーシング・スクリーン(のようなもの)が申し訳程度に付いているだけ。ベーシックな170Sから上記のようなストリップ・ダウンが行われたのに加えて、カーボン・パーツが多用されたことにより、乾燥重量はなんと440kgを実現。現行型スズキ・ジムニー等の658cc直3ターボをベースとしたエンジンは、専用のECUを組み合わせることで85psに増強され、加えてリアにはLSDも組み合わされる。ケータハム・セブン170Rとはそういうクルマである。ならばこちらもニットキャップとアイウェア、インナーは上下“極暖”で相対するしかない。高速走行ならヘルメットも必須だ。そんな覚悟を決めてのドライブは、やっぱり楽しいの一言に尽きる。手首の返しだけで決まる5段MT、超軽量の車体からもたらされる瞬発力とLSDによる旋回性の高さは、正月明けの鈍った身体にヒリヒリくる。まさに公道を行くレーシング・カー。体の芯から温まりたいかたは是非。(桐畑恒治)
写真=神村 聖
(ENGINE2023年4月号)
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