2023.03.27

CARS

「直列5気筒ターボは、ポルシェのフラット6と並ぶ国宝級エンジンだ!」 ラリー好きオヤジの血が騒ぐ! これが峠の王者、アウディRS3に試乗したジャーナリストの生の声だ!

強烈な加速と俊敏なハンドリングをジャーナリストが絶賛!

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2023年の注目の輸入車38台を一同に集めたエンジン大試乗会に参加したモータージャーナリスト40人が注目するクルマ! アウディ伝統の直列5気筒ターボを搭載する、400馬力の過激なコンパクト・スポーツ、RS3。その豪快な加速と俊敏なハンドリングのRS3に試乗した清水和夫さん、菰田潔さんの2人が思わず叫んだ!

ピエヒ氏の遺産!

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アウディRS3の特徴は直列5気筒ターボエンジンを搭載するクワトロと聞いて、私の血が騒いだ。1980年に華々しくデビューしたアウディ・クワトロは世界ラリー選手権を席巻し、スポーツ4駆の世界を切り開いたが、そのコア技術は5気筒ターボだったからだ。縦置きエンジンの前輪駆動車を4WDに変身させるという絵を描いたのはポルシェ博士の孫にあたる亡きピエヒ氏。全長の短いロングストロークの5気筒エンジンを考案した。そのピエヒ氏のこだわりを感じるエンジンは、近代的な技術によって蘇り、ポルシェのフラット6と並んで国宝級といっていいピエヒ氏の遺産だ。エンジンはレスポンスのよいタービンとロングストロークのおかげで、2250回転で最大トルク500Nmを発揮。このエンジンはタイトなコーナーが連続するワインディングでは大きな武器となる。スロットル全開のサーキットよりも、オンオフを繰り返して走るコーナーが得意だ。特設コースのジムカーナでは後輪の左右トルク配分が利いて、ターンはするどく、コーナー出口でもアンダーステアは感じなかった。(清水和夫)



スキルアップできる!

A3をベースにしたサーキットの王者にはスキはない。1リッター 3気筒ターボ110psから2.5リッター直列5気筒400psのエンジンに載せ替え、FWDからクワトロになり、サスペンションはもちろんボディも補強し、205/55R16から前265/30R19、後245/35R19に履き替え、試乗車は対抗ピストンのキャリパーを持つセラミック・ブレーキまで備えていた。室内はバケット風のシートで身体をしっかりホールドしてくれる。ちょっと硬めのサスペンションもボディ剛性が高いので、安っぽい乗り心地にはなっていない。箱根の山道は完全な得意科目で、グリップ限界が高いからスポーティな走りを安全に楽しめる。フロントヘビーなはずだが、それを感じないコーナリングで良かった。ここではクワトロの安定性は有利に働き、急なアクセル・オフでも不安定にならないし、急なアクセル・オンでも安定性を保ちながら強力なトラクションを発揮する。こうやって走っていると、クルマがドライバーのスキルをアップしてくれるようだ。こんな風に走れるのに4ドア・セダンというところもいい。つまり日常使いが無理なくできるという点で、家族の承認も得やすいだろう。(菰田潔)

写真=郡大二郎/茂呂幸正/神村聖/小林俊樹



(ENGINE2023年4月号)

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