2023年の注目の輸入車38台を一同に集めたエンジン大試乗会に参加したモータージャーナリスト40人が注目するクルマ! パッケージングからデザイン、そしてもちろん走行フィールまで、既存の固定概念に囚われない! ヒョンデ・アイオニック5ラウンジAWDに乗った塩見智さん、佐藤久実さん、今尾直樹さんの3人は、思わず叫んだ!
テスラと並ぶトップBEVだ!
この日担当するとは知らず、YouTube「シオミサトシのソルトンTV」取材用にアイオニック5を借りていたため、アイオニック5で出かけ、別のアイオニック5に乗り、元のアイオニック5で帰った。ラウンジRWDで往復し、試乗会でラウンジAWDに乗ったため、違いがわかってよかった。結果、AWDのほうがBEVらしい挙動が強調されて楽しく満足感が高いが、RWDにもアイオニック5の本質的な魅力はすべて備わっていて、安いRWDを手に入れ、浮いた約40万円を別の何かに有効活用するのもあり、という結論に達した。“BEVらしい挙動”とは鋭い発進加速、前後モーターによる強い回生ブレーキを活用した、いわゆるワンペダル・ドライビング。本質的な魅力とは高い静粛性、シームレスな加減速の気持ちよさ、そして他の多くのBEVを上回る充電能力の高さだ。アイオニック5はバッテリーの電圧が高いので、バッテリー残量が豊富な状態で充電しても結構な勢いで入ってくれるのがありがたい(もちろん充電器の能力の範囲内で)。テスラの2モデルとアイオニック5が日本で買えるBEVトップ3。(塩見智)
新鮮な体験
先進性と斬新さ溢れるクルマ。ヘッドライトやテール・ランプはパソコンみたいに「ドット」で描かれたようなデザイン。ボディ・サイドには、折り紙のような大胆な幾何学的なキャラクター・ラインが入る。広い室内空間はフラットなフロアで全席電動スライド可。シートに留まらず、センター・コンソールまでスライドしてしまう斬新さ。運転席のシート・スイッチを長押しすると、ワンタッチでフル・リクライニングしてくれる。充電中、ゆっくりくつろいでね、というおもてなしモードだ。100Vコンセントを備え、運転中の快適さのみならず、止まっている時もリビングにいるような快適性、利便性。スポーツ/ノーマル/エコのドライブ・モードを備え、さらにパドルで回生の減速度を調整でき、ワンペダル・モードも備えるので、シチュエーションに応じていろんな走りを楽しめる。重量級の車体にもかかわらず、路面の継ぎ目を跨いだ際の足捌きの良さが印象的。「電気で走る」だけでなく、パッケージングからデザイン、そしてもちろん走行フィールまで、既存の固定概念に囚われず「新鮮な体験」ができ魅力的。(佐藤久実)
クルマ界のBTS
噂は聞いていたけれど、出来のよさにたまげた。全長は4.6mと小型車並みなのにホイールベースは3mもあって、室内は広々としている。贅沢な白いレザー内装に、計器類は北欧風というのでしょうか、高級なオシャレ感がある。それでいて操作系はオーソドックスで直感的にすぐわかる。AWDのトルクは前後モーター合わせて605Nmもあって、車重2100kgのボディを爽快に加速させる。ドライブ・モードをノーマルからスポーツに切り替えると、スロットルは一定なのに、ひゅうううんと唸りをあげて速度を上げる。ミシュランのおかげもあってだろう、20インチでもタイヤが路面によく追従している感がある。路面からのショックは、クルマのせいではなくて路面を正確に伝えているゆえなのだ。ロード・ノイズも低い。これで価格は600万円を切る。お値打ちだ。試乗後、ヒョンデの担当者に、清水草一さんの真似をして、「売れてますか?」と訊ねたら、同じ答が返ってきた。「がんばってます」。クルマ界のBTS、世界のゲーム・チェンジャーはニッポンだって変えるかも……。変わらなきゃ。(今尾直樹)
写真=神村聖/小林俊樹/茂呂幸正/神村聖
(ENGINE 2023年4月号)
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