最初の1台はバザーで見つけたアルファ・ロメオだった！　フェラーリ365GT4/BBとフィアット・アバルト750レコルトモンツァ・ビアルベーロをガレージに並べるという夢をかなえたオーナー

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フェラーリ365GT4/BB（1975）とフィアット・アバルト750レコルトモンツァ・ビアルベーロ（1959）とオーナーの枝さん

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アバルトはもう1台の理想形

しかし、ボクスターに乗る一方で、デュエットに乗っていた時代から、もっと小さくて、車重が軽い、イタリア車の4気筒モデルに興味があったこともあり、心の中で、そちらの火も静かに燃やし続けていた。

「以前から理想の1台として、なんとなくアバルトのことが気になっていたのですが、本気で欲しくなったのは友人たちがダブルバブルの750GTザガートやレコルトモンツァに乗り始めたのを見て、いいなぁ～と思ったからです。それで、スーパーカー・ブーム時代からの夢だった365GT4／BBと、小さな4発の理想形だと思うアバルトの750レコルトモンツァ・ビアルベーロをガレージに並べることにしました」

アメリカでアバルトのセミワークスとして活躍していたチーム・ルーズベルトが使用していた車両だという750レコルトモンツァ・ビアルベーロを手に入れたのはコロナ禍の直前。その後、クルマ関連のイベントが軒並み中止になってしまったので、地元の集まりには顔を出したが、たくさんのアバルトが集結するような規模が大きい催しにはまったく参加できていないという。ゆくゆくは、アバルト・デイズなどにエントリーしたいそうだ。

ボラーニ製のホイールはスチール製だが、リムの部分だけアルミの磨き出しとなっている。マフラーはオリジナルのマルミッタ・アバルトだ。

365GT4／BBは四季を通じて普通に乗れるので、枝さんは各地のイベントに臆することなく出向いている。つい先日もイタリア車をテーマとした催しで遭遇したばかりだ。

しかし、アバルトの方は冬こそ快適だが、さすがに真夏は乗るのがキツイという。暑さの影響でエンジンの冷却面や燃料の供給面が厳しくなり、人間の方も熱中症対策を施さないとグッタリしてしまうからだ。

そういったこともあり、愛車に乗らない時間は美術館のギャラリーのような空間にて羽を休めるフェラーリとアバルトを眺めて楽しんでいる。ちなみに、この空間は365GT4／BB用として設けたのだという。

「ずっとマンションに住んでいたので、一戸建ての自宅というものを初めて建てたのですが、工務店が以前からの友人で、なおかつ同じフェラーリ乗りだったので、ガレージ部分に関してはこちらのイメージや希望をすぐさま理解してくれました。話を進めやすかったです」

フェラーリとアバルトは乗って楽しいクルマだが、美しいクルマでもあるので眺めても楽しいのだ。細部に至るまで枝さんの理想が反映されたガレージに置かれた最愛の2台を鑑賞するひとときと家族の笑顔が、枝さんの明日への活力となっている。

文＝高桑秀典　写真＝郡大二郎

（ENGINE2022年2・3月号）
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