2023.03.19

CARS

最初の1台はバザーで見つけたアルファ・ロメオだった! フェラーリ365GT4/BBとフィアット・アバルト750レコルトモンツァ・ビアルベーロをガレージに並べるという夢をかなえたオーナー

フェラーリ365GT4/BB(1975)とフィアット・アバルト750レコルトモンツァ・ビアルベーロ(1959)とオーナーの枝さん

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雑誌『エンジン』の大人気企画、「2台持つとクルマはもっと楽しい!」。今回は、ミニマリスティックな美しいガレージに、フェラーリ365GT4/BB(1975年)とフィアット・アバルト750レコルトモンツァ・ビアルベーロ(1959年)の2台を並べるという念願の夢をかなえた枝孝司さんを取材した。夢と理想形が集う。美術館のギャラリーかと思わせる、シンプルで塵ひとつ落ちていない綺麗なガレージに、おろしたての新車かと思わせる極上のコンディションを持つ2台のスポーツカーが並ぶ。ここは乗るだけでなく、眺めても楽しいイタリア生まれの両車にはピッタリの場所。日本全国各地の旧車イベントをくまなく取材する高桑秀典がリポートする。

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子供の頃に一番好きだったのがフェラーリ365GT4/BBだった

約45年前に巻き起こったスーパーカー・ブームをリアルタイムで体感したかつての少年にとって、300km/hのランボルギーニ・カウンタックに対し、302km/hとわずか2km/hという僅差ながら最高速対決を制したフェラーリのBB(ベルリネッタ・ボクサー)シリーズはスペシャルな存在だ。

51歳になりフェラーリの275シリーズも気になり始めたという枝さんの365GT4/BBは1975年式。まずイタリア国内でデリバリーされ、枝さんが日本では2人目のオーナーであることが分かっている。外装と同じようにコンディションが非常にいい内装は、モデナのルッピでレストア済み。

現在51歳の枝さんはブーム全盛時に身のまわりをスーパーカー・グッズで埋め尽くした子供のひとり。その頃から一番好きだったのがフェラーリ365GT4/BBだったと、目の前にある深紅の愛機を眺めながら話してくれた。

「楽しかったスーパーカー・ブームの終焉を見届けたあと、クルマよりもバイクが好きになり、高校時代は2輪に夢中でしたね。主にヤマハの2ストを所有していました。大学に入り、クルマを運転するようになるとバイクから旧いオープンカーへ興味が移りました。最初に検討したのはMG-Bをはじめとする英国車です。しかし、結局買ったのは趣味系自動車専門誌のバザール欄で見つけた黒いアルファ・ロメオ・スパイダー・シリーズ3でした」

スパイダーを愛用していた時はキャブ調整などを楽しんでいたという枝さんだが、その後、大きな故障がきっかけで手放し、プジョー306のMTを新車で購入する。これもお気に入りだったが、やはり、もっと刺激的なクルマが欲しくなり、1999年に赤いアルファ・ロメオ・スパイダー・シリーズ1に乗りかえた。

「デュエット」の愛称を持つこのアルファ・スパイダーで、当時のインポーターが主催していたムゼオ・アルファ・ロメオ系のツーリング・イベントなどに参加していたという。

F355からBBへ

「デュエットに10年ほど乗っていましたが、40歳になる前にフェラーリを買っておこうと思いました。本当はBBが欲しかったのですが、ファースト・フェラーリとして購入したのはMT仕様のF355です。ただ、F355を愛用しながら512ではなく365にこだわってBB探しは継続していました。なかなかイイ個体と遭遇しなかったのですが、2012年に運よく極上モノが出てきたんです。それが現在も愛用している365GT4/BBです」

この9年間でクラッチとタイミング・ベルトを転ばぬ先の杖ならぬ整備として交換したぐらいで、ノントラブルで楽しめているという。枝さんが満喫しているスーパーカー・ライフは、同学年で、やはりスーパーカー・ブームにヤラれた筆者にとって非常に羨ましいかぎりだ。

1959年式のフィアット・アバルト750レコルトモンツァ・ビアルベーロはアメリカのチーム・ルーズベルトが使用していた車両で、セブリングで戦っていたときの資料が遺されているので、それを参考にしてルーズベルト仕様にモディファイ。

枝さんが愛用している細部に至るまでしっかり仕上げられた365GT4/BBのみならず、シルバーのフィアット・アバルト750レコルトモンツァ・ビアルベーロもイタリア車好きにとっては羨ましい存在だ。ガレージ内で現在のラインナップが完成したのは2020年2月のこと。それ以前に365GT4/BBの横に置かれていたのはホワイトのポルシェ・ボクスターだった。

「デュエットを手放したあともオープンカーを手元に置いておきたくてボクスターをチョイスしました。365GT4/BBと組み合わせることを考えるとある程度信頼性が高いクルマがいいと思ったからです。デュエットは、一度ちゃんとしたメカニックに仕上げてもらったら、自分でイジる余地がないほど完調になりました。だから手を掛ければイタ車でも大丈夫であることは分かっていたのですが、以前から、新しめのポルシェが気になっていたのでボクスターをチョイスしました」

枝さんは、2013~16年まで2011年式の987型ボクスターSを、2016~19年まで981型のボクスター・スパイダーを所有する。

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