2023.03.26

CARS

「今時こんなに低い場所に座らされるなんて、どうかしてる!?」 9000回転も回るNAフラット6も尋常じゃない! これがポルシェ911GT3に試乗したモータージャーナリストの生の声だ!!

ポルシェ911GT3

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ルマン24時間でも戦えるクルマ

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毎回思うことだが、ポルシェ911のGT3は他のスーパー・スポーツカーとはちょっと次元の異なる存在である。パワー・スペックがハイレベルにあるのは言うまでもないが、ボディやステアリング、サスペンション、ブレーキ等々すべてにおいて異常なほど剛性が高い。イタリアン・エキゾチックを始めとする、繊細さを要求されるスーパー・スポーツももちろん好みだし、それはそれで楽しいと感じるが、911GT3のパフォーマンスには感服、あるいは脱帽するよりほかない。そして毎回「これ以上はないんじゃないか」と思い、毎回いい意味で裏切られる。最新型911GT3もそう。いつものワインディング・ロードでも狙ったラインをビタっとトレースしながら不安なくアクセルを踏んで行ける。もちろんブレーキは正確無比。24時間戦える、そんなクルマだ。とてつもなく頑丈で速くて安定していて、楽ちん。吊るしのままでもル・マン24時間レースを完走できるんじゃないかと思うほど隙が見当たらない。といってもまた次のGT3はそんな印象を安易と上回ってくるのだろう。どこまでも空恐ろしいクルマである。(桐畑恒治)



心臓がバクバクする

ああ、今の時代にもう反則だ。何度乗ってもそう思う。その過激さに最早、買って乗りたいとも思わなくなってしまうほど。もう少し穏便な生活がしたいのよ~などともっともらしい言い訳を考えつつ。息止め腹を凹めてバケット・シートに腰を下ろした途端、心臓がバクバクし始めた。今時こんなに低い場所に座らされるなんて。もっと背の低いスーパーカー系ならいざ知らず、実用シェイプの911ゆえ、そのギャップに萌える。レース仕様のツーリングカー的なコーフン、とでも言おうか。動き出せばすべてがダイレクト。前足のさばき、NAフラット6のサウンドとレスポンス、ブレーキのタッチ、はたまた空気の層を切って走る感覚さえ鋭く、そして直接的だ。だから心臓もまた勝手にハイレブに達す。操作に対応する車体の動きがいちいち思い通りでなおかつ正確ゆえ、ついつい右足には力がこもりがち。電動車では、どんなにはっちゃけた加速を誇るモデルであっても、ここまでハイにはならない。乗っている間はトリコ。降りたら欲しくならない理由を探す。うん、この派手さはもう無理なのよ、とか。(西川淳)

写真=小林俊樹/茂呂幸正



(ENGINE2023年4月号)

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