2023.04.04

CARS

「スーパーSUVの世界はウルスの独壇場ではなくなった」 感覚的にはDB11やDBSに似ている! これがアストン・マーティンDBX 707に試乗したモータージャーナリストの生の声だ!! 

アストン・マーチンDBX 707

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2023年の注目の輸入車38台を一同に集めたエンジン大試乗会に参加したモータージャーナリスト40人が注目するクルマ! 猛烈な加速性能に思わず笑いが出るジャーナリストが続出した! 4リッター V8ツインターボの超強力ハイパワーSUVのアストン・マーチンDBX 707に乗って、桂伸一さん、斎藤聡さんの2人が思わず叫んだ!

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背の高いスポーツカー


707が上陸して間もない頃に富士スピードウェイでチョイ乗りした。そのつもりが関係者のタクシー・ドライバーを務めるうちにいつしか全開走行。DBSなど2シーターの試乗の後だったので、いくらアストンとは言え、大きく重いDBXだから……と思っていたが、乗ってみたらまるで背の高いDBSだったのだ。今回、箱根ターンパイクでも、先行する911GT3を直線のみならずコーナーでも涼しげに追走するシーンを目の当たりにして(桂はGT3をドライブ)、707のスポーツカーとしてのポテンシャルに改めて目から鱗が落ちた。コーナーでの左右のロールも、加速と急制動による前後のピッチングの類も、完璧に抑え込んでいながら、乗り味に硬さも荒さもない。富士SWの良路ならともかく、路面の継ぎ目のある西湘バイパスやターンパイクでの試乗も含めて、このクルマの運動性の高さとフラットな乗り味を再確認。スーパーSUVの世界ではランボルギーニ・ウルスに敵はないと思っていたが、特別な飛道具を持たない707の登場でウルスの独壇場ではなくなった。そんな権力闘争も楽しい。(桂伸一)

アストン・マーティンのSUV、DBXの上位バージョンがDBX707だ。通常のDBXとは異なる、大型のグリルを備えたフロント・マスクや各部の空力付加物に加え、その名の通り最高出力707ps、最大トルク900Nmを発揮する4リッター V8エンジンをフロントに搭載し、9段ATを介して4輪を駆動する。全長×全幅×全高=5039×1998×1680mm。ホイールベース=3060mm。車重=2245kg。車両価格=3290万円。

すべてがアストンそのもの

本当にこれはSUVなのか? ディテールを眺めれば、707ps/900Nmを発揮する4リッター V8ツインターボの超強力なパワーユニットを搭載するハイパワーSUVだが、走った印象はまるで違っていた。その猛烈な加速性能に思わず笑いが出るが、直後にその笑った顔が引きつるくらい速い。それは間違いないが、速さの質が他のハイパワーSUVとはまるで異質なのだ。超重量級のボディを有り余るパワーで強引に加速させていることに間違いはないが、感覚的にはDB11やDBSを走らせているのにとても似ているのだ。車高が高く重心が高く、車重が重いにもかかわらず、そうしたSUVならではの持って生まれた素性さえ感じさせないくらい、乗り味がアストン・マーティンなのだ。ロールセンターと重心高の割合がDBXも他のモデルと同じように設計されているのでは? そんなふうにさえ感じる。前後の重量配分もバランスも良い。DBX707はSUVのアストン・マーティンではなかった。走りのバランスやテイスト、さらにはドライビング・プレジャーまでアストン・マーティンそのものだった。(斎藤聡)



写真=神村聖/郡大二郎/茂呂幸正/小林俊樹

(ENGINE 2023年4月号)

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