2023.04.24

CARS

「アクセルを床まで踏み込むと、このまま離陸すんじゃないの? と思うほどに加速する!」 これが「ボルボXC40リチャージ」に試乗したジャーナリストの生の声だ!

ボルボXC40リチャージ・アルティメット・ツイン・モーター

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2023年の注目の輸入車38台を一同に集めたエンジン大試乗会に参加したモータージャーナリスト40人が注目するクルマ! 思わず「速っ」と声が出る! ボルボXC40リチャージに乗った生方聡さん、飯田裕子さん、藤原よしおさんの3人は、思わず叫んだ!

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生まれ変わった


日本でも人気のボルボXC40だが、いつもとは少し雰囲気が違う。フロント・グリルがカバーされ、いつも以上にスッキリして見える。ラジエター・グリルがないのはEVのあかし。ひとめで“リチャージ”とわかるのがうれしいところだ。コックピットに収まり、ダッシュボードを見まわしてもスタート・ボタンが見当たらない。いまどきのEVではスタート・ボタンがあっても押さないのが流行のスタイルだが、XC40ではさらに割り切っているというわけである。指示どおりブレーキを踏んでシフト・レバーを操作するだけで発進の準備が整った。まずは軽めにアクセル・ペダルを踏んで発進すると、思いのほか軽々とした動きを見せる。2150kgの車両重量を微塵も感じさせない軽快さだ。アクセル・ペダルの右足にさらに力をこめると、即座に加速体制に入ったXC40は一気にスピードを上げ、思わず「速っ」と声が出る。それでいて、挙動は安定しきっていて、安心して加速を楽しめるのはボルボらしい。EV化でXC40はさらにエキサイティングに生まれ変わったのだ。(生方聡)

インテリアの基本的な仕立てはベースとなる内燃機を搭載するXC40シリーズと共通。始動ボタンはなく、解錠し、ブレーキを踏んでDレインジを選択すればそのまま走り出せる。

北欧の温かな家

電気自動車のXC40と過ごす時間。それは冬の静寂な空気に包まれる北欧の温かな家の中で過ごす幸福感に似ている。デザインのボルボ。専用デザインのマスクはトールハンマーを模したLEDライトを一層、白く際立たせ、夜には室内のデコレーション・パネルがクールな光を静かに放つ。温もりとサステナブルなこだわりが詰まった室内は、ペットボトルのリサイクル樹脂糸を使ったカーペット素材の採用に続き、リサイクル素材にウールを混ぜた新たな風合いのファブリック・シートを用いる。スティッチ、パイピング、天井生地の風合いにも全体のカラー・トーンにもぬかりなし。わかりやすい高級素材を使わず、この温もりとデザイン・クオリティが完成! スポーツ・シューズのように軽々とタイヤを転がす内燃機関搭載車の印象とは異なり、重厚さを伴いながらモーター駆動でシットリと路面を捉える走行フィールもBEVならでは。レザーのような質感のステアリング上でオーディオのボリュームを上げたらYouTubeミュージックが流れ出してビックリ。“繋がる”新しさも大きな魅力です。(飯田裕子)

日本仕様は前後2モーターとなる試乗車の“デュアル・モーター”とは別に、フロントに1モーターの“シングル・モーター”もラインナップ。

違和感なく乗り換えられる

乗る前にボルボ広報の相良さんが「0-100km /h加速は4.7秒。こんな可愛いカッコだけど、当時のCGを見たら、これってフェラーリF40と同じなんですよ」と一言。ちなみにF40は1100kg、XC40リチャージ・アルティメット・ツイン・モーター(長いっ! 以下XC40)は2150kg。F40が478psだったのに対してXC40は408psというのだから、文系の僕でも、どーひっくり返っても寸法が合わない! と思う。でもXC40は速い。アクセルを床まで踏み込むと、このまま離陸すんじゃないの?と思うほどに加速する。しかしその爆発的な加速力と、見事な静粛性以外で電気自動車であることを感じさせる部分はないのが、また凄い。“良い電気自動車=内燃機関から違和感なく乗り換えられること”だと思っている身としては、まさに理想的。加えてシートやトリムに使われるサステナブルな素材に包まれ、クリーンな走りに浸っていると、日々の薄汚れた人生すらも浄化されるような気すらしてくる。そしてもう1つ大事なことは、この出来なら同族グループの我が愛するロータスの未来も明るいということだ!(藤原よしお)

試乗車のツイン・モーターはその名の通り前後2モーターで300kW、660Nmを発揮し、4輪を駆動する。バッテリー容量は78kWhで一充電走行距離は484km(WLTCモード)。全長×全幅×全高=4440×1875×1650mm。ホイールベース=2700mm。車重=2150kg。車両価格=739万円。

写真=神村聖/茂呂幸正/郡大二郎/小林利樹

(ENGINE2023年4月号)

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