レンジローバー・スポーツ・ダイナミックHSE D300
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2023年の注目の輸入車38台を一同に集めたエンジン大試乗会に参加したモータージャーナリスト40人が注目するクルマ! 車重が2.3トンでも重さはまったく意識させない力強いマイルドハイブリッド・ディーゼル・ユニット。しかも、あまりの静かさに行天したジャーナリストが続出!? レンジローバー・スポーツ・ダイナミックHSE D300に乗った小川フミオさん、松田秀士さん、菰田 潔 さんの3人は、思わず叫んだ!
眺めているだけでも満足
はやばやと、というかんじで、あたらしいレンジローバー・スポーツの試乗がかなったのは、日頃の行いがよかったからだろうか。クルマの神様のおかげだろうか。2022年にフルモデルチェンジしたレンジローバーは、可能なかぎりの快適さをパッケージしたすばらしいモデルだった。それに対して、最新のレンジローバー・スポーツは、積極的に走りを楽しませてくれるのだ。エンジンは3リッター直列6気筒ターボ・ディーゼル。これに発進時にトルクを上積みするマイルド・ハイブリッド・システムがそなわる。はたして最大トルクは、650Nm。これが1500rpmから出るのだから、車重が2.3トンあろうと、重さはまったく意識させない。音も振動も低く抑えたディーゼル・ユニットもよい出来。不足感はいっさい感じなかった。「リダクショニズム」と呼ばれる、突起物を極力排除したエクステリアのなめらかな表面処理もおどろくばかり。陶工の名人がていねいに仕上げたアートのようでもある。性能だけでなく、眺めているだけでも、オーナーは満足できるんじゃないだろうか。うらやましい。(小川フミオ)

エアサスのデキに感動SUVの王様ともいえるレンジローバー。中でもとりわけスポーツは、フラッシュ・サーフェスなエクステリアにディプロイアブル・ドア・ハンドル(走行時格納式)など、主にオンロードでの空気抵抗を低減するデザイン。チョップド・ルーフも健在だ。レンジローバーのモデルの中ではオンロードに特化しているけれどもオフロード性能もしっかり押さえている。そのことを表すのが最低地上高。オンロードでは216mmあり、これだけでもオフロード走行に事足りるが、オフロード・モードにすると281mmとなり渡河水深は900mmと圧倒的。ドアを開ければステップ・ボードが現れ小柄な筆者でもスムーズに乗車できる。特に降りるときは重宝する。シートに座りドアを閉めればそこはレンジのエグゼクティブ・ルーム。シート、ステアリングの触質感、内装類の好質感は言うまでもない。そして22インチの超扁平タイヤを履いているとは思えない乗り心地と、タイヤの接地力を引き出しているダイナミック・エアサスペンションに感動する。(松田秀士)
お・も・て・な・し最上級の「おもてなし」というのはこのことを言うのだと、改めて教えられている気になった。大きめのSUVに乗り込むためには上に登る感じになるが、足元にステップが出てきて女性でも楽に乗降ができそうだ。運転席に座ると広いフット・スペースによってゆとりを感じさせるから、長距離ドライブも楽に行けそうだ。ドアのパワーウインドウ・スイッチの上部にあるシート調整用スイッチは、2種類の素材を使った高級感があるものだ。エンジンをかけると、黒かったインストゥルメント・パネルに表示が現れ、ステアリング・スポークにあるACCなどのスイッチ類も隠れていた表示が浮かび上がってくるという凝った仕掛け。センター・コンソールのスタート・ストップ・ボタンを押すと6気筒3リッターディーゼルが目覚めるが、外部と隔離されたような室内ではノイズは聞こえてこない。LRマークつきピレリ・スコーピオンはPNCSが装備されタイヤ・ノイズも抑えている。ありがたいのはハンドル応答性が正確なこと。高速道路も山道も車重を気にすることなくドライブを楽しめるのは一番のおもてなしだ。(菰田 潔)

写真=小林俊樹/茂呂幸正/郡 大二郎/神村聖
(ENGINE2023年4月号)
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