BMWの既存のラインナップにはない、特別なモデルとして登場したXM。その走りはいかなるものなのか。モータージャーナリストの島下泰久がアメリカでテストした。外観はとてつもなくアグレッシヴこのクルマは一体何モノなのか、解せずに居る人は多いのではないだろうか? BMW XMは昨年BMWの、そしてMモデルの既存ラインナップの文脈から外れた存在として突如、姿を現した。実際のところXMは、BMWのSUVであるXモデルの最高峰であり、伝説のM1に続く史上2モデル目のM専用車でもあり、Mとして初の電動化モデル=プラグイン・ハイブリッドである。ターゲットは、これまでBMWがリーチできていなかったハイエンド層。イメージはプロスポーツ選手、ミュージシャン、若き経営者といったところだ。社内では「ワイルド・リッチ」なんてキーワードも使われているらしい。
おそらくメルセデス・ベンツG63AMGやランボルギーニ・ウルスなどの購入層にアピールするには、たとえば「X8」ではちょっと弱い。そこでMのバッジの威光を使い、大胆なデザインをまとい、最先端のテクノロジーを盛り込むことで、まさに既存ラインナップから際立った存在にしようと考えたわけである。キドニーグリルがこれでもかと強調されたフロントマスクは、新型7シリーズやX7と同様に上下2分割のヘッドライトを採用する。幾何学的なディテール、各部に施されたゴールドのトリムなど、外観はとてつもなくアグレッシヴな仕立てだ。内装には、Mモデル専用の表示が与えられたBMWカーブド・ディスプレイを採用する。しかしながら見どころはやはり後席だろう。「Mラウンジ」と謳う空間は、3列シートのX7と共通の長いホイールベースを活かして、とてもルーミーだ。しかも天井内張りはアルカンタラ表皮の3Dプリズム構造とされ、アンビエントLEDも埋め込まれて、何とも妖しい雰囲気を醸し出す。
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