2023.04.06

CARS

これは凄い! ギョッとする見た目は注目度満点! 顔はいかついが、走りは洗練の極み!! BMW SUVの最高峰モデル、XMにアメリカで試乗!

“電動感”は強め

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もちろん、これはMモデル。見た目だけのクルマではない。パワートレインは前述の通りのプラグイン・ハイブリッド。V型8気筒4.4リッターツインターボ・エンジンに、電気モーター内蔵の8段AT“Mハイブリッド”を組み合わせて、システム最高出力653ps、最大トルク800Nmを叩き出す。それを受け止めるシャシーは、これもM初のインテグラルアクティブ・ステアリング、アクティブロールスタビリゼーション、可変ダンピング、Mスポーツディファレンシャルなどで武装する。

見た目はいかついXMだが、走りは洗練されている。発進加速は電気モーターの瞬発力とスムーズさで、実に爽快。中間域の応答性も鋭く、一体感ある走りを楽しめる。一般道では全開にできる機会はそう多くはないが、踏み込んだ時の爽快感、V8サウンドは垂涎モノだ。



EV走行は、クルマを渡された時にはバッテリー残量が底をついていて確認できず。ただしハイブリッド走行時でもエンジンは頻繁に停止し、電気モーター単独での走行になる。“電動感”は強めだ。

面白いのはBMWアイコニックサウンド。電気モーター走行中でも、まるでエンジンのような野太い、しかも決して人工的ではないサウンドが室内に響く。Mモデルを選ぶような人ならば、これは間違いなく嬉しい演出と取るに違いない。

日常域の乗り心地は想像以上に快適。ステアリングもよく切れて、取り回しにも不満は無い。ただし、せっかく広い後席が各種ノイズでやや騒がしいことは気になった。



フットワークの完成度に文句をつける余地はない。重心の高さを感じさせることなく操舵に対して素直に向きが変わるハンドリングには、思わずペースが上がる。センターコンソール上のスイッチ、あるいはステアリングホイール上のM1、M2ボタンを押してモードを切り替えれば、さらにタイトなコーナリングを楽しむことも可能。様々な電子デバイスが備わるも挙動に違和感は皆無。この躾け、ハーモニーは見事だ。

気づけば思い切りドライビングを堪能してしまった。見た目はこうでも中身はちゃんとM。キーを返す頃には、そのギャップも含めてすっかり気に入ってしまった次第である。

XMは日本でもすでに発表済み。4月には路上を走り出すはずだ。さて、ターゲットとするユーザー層は一体どんな反応を示すだろうか?

文=島下泰久 写真=BMW



■BMW XM
駆動方式 フロント横置きエンジン前輪駆動
全長×全幅×全高 5110×2005×1755mm
ホイールベース 3105mm
車両重量 2710kg
エンジン形式 水冷V型8気筒DOHCターボ+モーター
ボア×ストローク 88.3×89mm
排気量 4395cc
システム最高出力 653ps(エンジン489ps、モーター197ps)
システム最大トルク 800Nm(エンジン650Nm、モーター280Nm)
トランスミッション 8段AT
サスペンション(前) ダブルウィッシュボーン
サスペンション(後) マルチリンク
ブレーキ(前後) 通気冷却式ディスク
タイヤ(前/後) 275/45R21/315/40R21
車両本体価格(税込) 2130万円

(ENGINE2023年5月号)

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