2023.03.29

CARS

ランボルギーニの次世代スーパースポーツカーは、1000ps超のPHEVで新しい時代の走りを作る

車名が未発表のため「LB744」というコードネームで呼ばれる、ランボルギーニの次世代12気筒ミドシップのデビューがいよいよ目前に迫ってきた。

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走りへの期待をさらに高める

これまで事前情報として、LB744のパワートレインやモノコック・シャシーの構成に関する情報を発信したランボルギーニだが、今回は「究極のドライビング・エクスペリエンス」と題した、感動的なドライビング・コントロールを提供するシステムの詳細を発表した。ランボルギーニが「HPEV」(ハイ・パフォーマンス・エレクトリファイド・ヴィークル)と名付けたプラグイン・ハイブリッド・システムを備えるスーパースポーツカーのLB744の走りにさらなる期待を高めてくれる内容だった。



6.5リッターV12は825psを発生

LB744がリア・ミドシップに搭載するエンジンはL544型と呼ばれる6.5リッターのV型12気筒。アヴェンタドール用と比べて17kgも軽量に設計されたそれには、デュアルクラッチ式8段自動MT(DCT)が横置きで組み合わされ、エンジン単体でも825psの最高出力を発揮する。

さらに8段DCT内に150ps(110kW)のエレクトリック・モーター、フロント・アクスルの左右各々にリア用と同出力のエレクトリック・モーターを搭載する「e-axle」を採用。V12エンジンと3つのモーターの組み合わせによりシステム総合出力は1015psに及ぶ。



電動トルクベクタリングを採用

電動トルクベクタリングが行えるe-axleに、4WD(4輪駆動)、4WS(4輪操舵)、ブレーキなどを組み合わせることで、自然かつ高い走行性能を実現する車両総合制御システム「ランボルギーニ・ディナミカ・ヴェイコロ2.0」を備える。

前後重量配分は44:56。クンタッチ(カウンタック)からアヴェンタドールの時代まではV12エンジンの前方に直列接続されたトランスミッションがあったセンター・トンネル内には3.8kWhの容量を持つリチウムイオン・バッテリーを搭載。下部構造層で保護されるバッテリーは重心の低下にも大きく貢献している。



ボディや骨格も大きく進化

LB744に使用される基本構造体のモノフセレージは航空工学からインスピレーションを得たもの。カーボンファイバー技術において世界のリーディング・カンパニーというもうひとつの顔を持つランボルギーニの真骨頂ともいうべき製法と構造を持つ。

これに組み合わされるボディのエアロダイナミクスも優秀で、アクティブ・エアロダイナミクスの効果によって、アヴェンタドールの最終モデル「ウルティマエ」と比較して、空力効率は61%、ダウンフォース量は66%増を達成することに成功したという。これにはエアの流れを高効率のリア・ウイングへと導くフロント・スプリッターとルーフの形状も大きく影響を及ぼしているのだという。

ブレーキはフロントが440mm径のディスクに10ピストンのキャリパー。リアには390mm径ディスクに4ピストンのキャリパーが採用されており、ディスクは最新世代のCCBプラス(カーボン・セラミック・ブレーキ・プラス)とされている。摩擦層で被われたこのディスクはブレーキング時の性能のみならず、熱管理やノイズの低減も向上させているとのことだ。



文=山崎元裕

(ENGINE WEBオリジナル)

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